構成発明者の皆さん、どうも!
さてさて、今回は大型パッチです。いつものバランス調整以外にも新アーティファクト20個と新サポートアイテム5個が追加され、さらにシステム変更もいくつか実施されています。これほど大きなパッチとなると、いっそセット名も「インクボーン フェーブル:リフェーブル」や「シン・インクボーン フェーブル」、あるいは「インクリボーン フェーブル」とかに改名したほうが良いかもしれません…いや、それは言い過ぎですね。はい、ではさっそく内容を見ていきましょう!
この週半ばでのBパッチは、ゴースト特性を意図以上に大幅弱体化していたバグの修正を主目的としていますが、それ以外にも2点の簡潔なナーフを実施しています。
近接ユニットの無効化と盤面強化を同時に行うリサンドラは対戦時のフラストレーションが高いチャンピオンです。彼女自身も成績(勝率データ)こそ首位ではないものの、その影響力は間違いなく最上位(最終盤面での起用率1位)で、うまく配置したときには敵近接キャリー/ソロ前衛構成を完封しています。
そこで今回のナーフでは、「暫定的な対処」としてスキル2回目発動を大幅に遅くし、対戦時のフラストレーションを低減しました。なお、スキル自体を対象とする大がかりな変更はパッチ14.10での導入を予定しており、この時にはスキルを「近接無効化要素」たらしめている部分を解決しつつ、コスト5としての満足感を維持したいと考えています。
大半の新アーティファクトは比較的バランスの良い状態でリリースできましたが、ひとつだけ超越的な強さを示していたものがありました。
パッチ14.9は、ライアットゲームズの独自のチート対策システムであるVanguardがPCクライアントに実装されます。今後はスクリプト、ボット、そしてチートのない公平なプレイ環境を実現するために、Vanguardが懸命に働いて積極的なチート対策を行ってくれます。今回の主な対象はLoLですが、今後はTFTでもチート対策が必要になる可能性があるため、長期的にはTFTにとっても有益な施策となるでしょう。LoLのVanguard導入の背景については、詳しく説明したブログを公開していますので、こちらをご覧ください。長いブログですが、グラフを用いて丁寧に解説しています。
皆さんが引き続きLoL(およびPC版TFT)を楽しむために必要なことはいたってシンプルです。Vanguardをインストールするだけ。まだVanguardをインストールしていない場合は、RiotクライアントかLoLを起動する際にインストールが促され、その後システムの再起動でVanguardが有効になります。Vanguardが有効でないと、ゲームのプレイや対戦待ちができなくなりますのでご注意ください。
万が一、問題が発生した場合は、Vanguardのトラブルシューティングを記載したサポート記事をご確認ください。
パッチ14.9において、LoLとTFTはDirectX 9のサポートを終了します。ゲームの安定性とパフォーマンスを維持するために、あまり多くのプレイヤーが利用していない古いハードウェアやソフトウェアへの対応を終了させる必要があります。現在もDirectX 9を利用している場合、このサポートが削除された時点で、ゲーム内でこのオプションが自動的に無効になります。ハードウェアの互換性の問題でDirectX 9を利用している場合は、今後もプレイし続けられるように、できる限り早くデバイスをアップグレードすることを推奨します。
DirectXを最新バージョンにアップデートする方法や、DirectXに関するトラブルシューティングの情報については、公式のサポート記事をご覧ください。(このリンクでDirectXのセクションに直接リダイレクトされるはずですが、機能しない場合はスクロールして該当セクションをご覧ください)
システムは変わる。でも僕だけは、いつだって君のそばにいるよ…
パッチ14.8で実施したプレイヤーダメージの変更はダメージ計算のシンプル化を目的としたものでした。しかし結果的には、プレイヤーダメージが下がりすぎ、試合時間長が許容レベルをやや超えるほど長くなっていました。そのため今回は、ステージ4~6での敗北ダメージを上昇させ、試合時間長を調整しています。将来的には、ダメージを追加で2~3上昇させる可能性もありますが、ひとまず今回は軽めに留め、序盤戦の苛烈化よりも終盤戦の盤面(以下数項を参照)に意識を注いでいきます。
現状はコスト4の★★★完成頻度が高くなりすぎており、それ以外の手段では1位を狙うのが難しくなっています。そこで、今回は(多くのプレイヤーがコスト4の★★★を狙う)レベル9到達に必要なコストを上げ、ユニット集めにかけられるゴールドを絞りました。さらに、ショップ出現率と遭遇にも調整を加えています(詳細は次項以降を参照)。そして最後に、レベル10到達のコストを4ゴールド低下させ、「ひたすらレベル9でリロールし続ける」以外の選択肢としての有用性を高めています。
レベルアップコストの上昇とショップ出現率低下により「★★★コスト4完成が主要な勝ち筋」という状況も打開されるでしょう。
SNSなどでは高スターレベルの高額ユニットが並ぶクレイジーな終盤戦盤面を見かけますが、ああした盤面の影の立役者はたいてい「インフレ系」の遭遇です。そこで今回のパッチでは、ゲームへの影響度が大きすぎる遭遇たちを削除したり、その出現率を低下させたりしています。一方、出現率が低かった一部の遭遇については、少しだけ出現率を上昇させました。
本パッチでは先述のとおり、20種類の新アーティファクトが追加されます。そして総数が増加したため、「アーティファクトアイテムの金床」で提示される選択肢の数を全ステージで増加させられるようになりました。今後は選択肢が4つ提示されるようになるため、構成に合わせたアーティファクトが選びやすくなるでしょう。たとえそれが、一番のお気に入りでなくても…そうでしょ?怪しげなトレンチコートのファンの皆さん?
新アーティファクト&サポートアイテムのボリュームくらい大きな、大きな変更です。
ドライアド(6)は、クラフト可能な紋章が1つあれば発動できるという難易度の低さに対して効果が強力すぎました。そこで今回は、スタックごとの魔力/体力をかなり低下させています。アイテムなしのアジールが爆弾級の火力と戦車級の耐久力を兼ね備えるような姿も散見されましたから。
セトのフェイトボーナスのオムニヴァンプには、複数のバグが発生していました。ひとつはアイテムで与えたダメージにも適用されていたこと。もうひとつは物理防御/魔法防御によるダメージ軽減前の数値に基づいて回復量が算出されていたことです。本パッチでは、これらのバグ修正を修正していますが、修正前はオムニヴァンプの価値が圧倒的に高くなっていたので、オムニヴァンプの基本値にバフを実施することで戦力的価値を補填しています。ただしこのバフを考慮しても、総合的にはセトのオムニヴァンプボーナスにとっては若干のナーフとなるでしょう。
これまでオリジン特性ヘブンリーの多人数構成は、他の特性の強力なキャリーたち(ヨネ、ケイン、リー・シンなど)を支えるサポート系特性として用いられてきました。しかし、ヘブンリー特性のみで完結する多人数構成にも一定の実用性はあるべきでしょう。そこで今回はカ=ジックス、ソラカ、ウーコンがメインキャリーとして輝けるように変更を実施しています。具体的には各特性ティアのボーナスステータスを引き下げ、スターレベルに応じたスケーリング要素を削除した上で、ヘブンリー特性ユニットが獲得するボーナスを+70%しました。
アンブラルはPBE中に一瞬だけ天下を取ったものの、その後は表舞台で活躍できずにいました。そこで今パッチでは、「とどめを刺す効果の発動基準値」とコスト3キャリーであるアルーンの両方にバフを加えています。とはいえこれでもバフが足りず、将来的にはより抜本的な対策を取る必要が出てくる可能性もまだあります。アンブラルの多人数構成を試した方は、ぜひ感想をお聞かせください!
皆さんご存知のとおり、ダリウスの序盤戦の強さは最上位クラスです。スキルに高い魔力反映率が設定されていてデュエリスト特性も持つ彼は、序盤戦で作ったアイテムをだいたい何でも有効活用できます。とはいえ、ダリウスの存在感を空気にしたいわけではないので、今回は★/★★でのダメージを低下させることにしました。リロールダリウスの強さを知る人は、どうやらまだ少ないみたいですから。
コグ=マウは射程増加のスタックを溜める時間が長くなって以来、タンク性能の高い相手で止まりがちになっています。そこで今回は、魔力(あるいは溶解力?)を少し増加させ、敵の分厚い体力バーを溶かしやすくしました。
「インクボーン フェーブル」の開発中、ブルーバフ/巨人の誓い/ブラッドサースタービルドのリヴェンキャリーはプレイテストで大暴れしていました。さてさて、今パッチでは再び彼女の大暴れを見られるでしょうか?
コスト3キャリーのうち、前回のナーフの影響が大きかったユニットたちと、そもそも活躍の機会がなかったユニットたち(ゾーイ、アルーン)にパワーレベルの底上げを実施しています。
アルーンは魔力系キャリーですが攻撃速度ステータスも有効活用できる(モレロノミコンは必須、スタティック シヴとレッドバフも驚くほど相性良い)チャンピオンでしたが、今パッチではショウジンの矛も選択肢となるでしょう。
トリスターナは、デュエリスト構成が強力だったメタでもメインキャリーとしては活躍できていませんでした。しかし、最近はデュエリスト多人数構成も不振状態で、コスト3の★★★完成難易度も上がっていたため、本パッチではトリスターナの基本ダメージと攻撃力/魔力反映率を引き上げることにしました。このバフが彼女にアイテムを装備させる動機になることを願っています。せめて、凶暴なクマのお友だちと同じくらいに。
一方で、そのお友だちのボリベアも、巨人の誓いと自身のマナへのナーフによりメタから姿を消していました。そこで魔力反映率を強化し、「不死熊」状態だったパッチ14.7に逆戻りしない範囲でしっかり体力を回復できるようにしました。これでクマさんの機嫌も良くなるといいのですが。
しかし、前パッチのコスト4に対するバフは凄まじかったですよね。おかげでメタでも、大半のコスト4ユニットが有効/起用候補とみなされるようになりました。今回は最後の仕上げとして、いまだ活躍の場がなかった2体にバフを、前回のバフの恩恵が大きすぎたとあるユニットにナーフを実施しています。
今パッチでは、モルガナの挙動が大幅にスマートになっています。「インクボーン フェーブル」のリリース以来、けもの道を歩み続けてきたモルガナですが、今度はセージらしく知恵を活かし可能な限り多くの敵を巻き込むようになりました。もう角のマスを中心としてスキルを放つ姿を見ることはないでしょう。
ここ最近、レベル8/9に直行して誰よりも先にリサンドラを入手しようとしていた方は試合を上位で終えることが多かったんじゃないでしょうか?特にパッチ14.8で体力がバフされて以来、早めにリサンドラを入手できたプレイヤーは圧倒的なスノーボール(磁器なんですけどね)ポテンシャルを発揮できていました。そこで本パッチでは、パッチ14.8の体力バフを撤回し、さらにアイテム枠の空きがなくなるほどだったアイテム入手能力を低下させています。
「特別製」は「コスト4を全員盤面に出す」オーグメントとして活かせます。そしてその強さは、コスト4全員をバフした前パッチで大きく跳ね上がりました。今回は上昇ステータスをやや下方修正し、強化分をすこし相殺しました。
「気力の勝利」はパッチ14.8のリリース寸前に致命的なバグが発見されたため、無効化しなければなりませんでした。当該バグはパッチ14.9のリリースまでに修正することができませんでしたが、次のパッチでは再有効化させるつもりです。
「混沌への呼び声」は数値を見る限りでは非常にバランスの取れたオーグメントですが、実際には非常に強い報酬と非常に弱い報酬の成績が相殺しているだけの状態でした。そこで、ランダム報酬のパワーレベルを均して全体のバランス状態を改善しつつ、他のオーグメントとの力関係が破綻しないように調整しています。
嗚呼、愛しの我が子よ…一体どうしてしまったのだ…?本パッチでは「地獄の契約」を無効化しました。本オーグメントは敗色濃厚な展開からトップ4を狙うか、強力なコスト3構成(「リミックス ランブル」のカントリー構成など)を一層強化することが存在意義になっていました。しかし、プレイヤーの手持ちゴールドをさらに増やすことになる(そもそも多くのプレイヤーは大量のゴールドを使い切るのに長い時間がかかります)のは望ましくありませんし、現状でレベル上限を8に引き上げるという判断もはばかられたため、最終的に無効化という決断を下すことにしました。ただし私の聞いたところでは、「地獄の契約」にはまだ将来的に復活する可能性があるとのことです。
PBEで新オーグメントのテストを重ねた結果から、「ゴミが宝に」を無効化することにしました。これは新アーティファクトたちを繰り返し再合成できると、ニッチかつ強力なコンボを容易に「決め打ち」できてしまうためです。また、高スキル帯での「ゴミが宝に」はスケーリング上限を跳ね上げますが、経験の浅いプレイヤーは使い方を間違えて再合成装置を失ってしまうことがあるのも無効化の一因です。失った時の感覚は本当に辛いですし、8位もほぼ確定してしまいますから。
これを執筆している時点で、PBEでは20種類の新アーティファクトがテスト中です。しかし、ここで新アイテムの性能と意図をひとつずつ紹介していくわけにもいかないので、今回は代わりに私が個人的に気に入っている(変な)組み合わせを紹介してみます。ぜひ皆さんも新アーティファクトを使った「成功のレシピ」を考えてみてくださいね。
穢れたヴァンパイア セプター+ナー:スキル?これだけ強烈な通常攻撃があれば要らなくないですか?
フィッシュボーン+ボリベア:混沌に身を委ねよ…バフされたクマに恐れなし。もっと暴れさせるなら磁器の紋章とブラッドサースターをどうぞ!
スペクトラル カトラス+ガリオのなりきりジ=ロット:ガリオを後列に配置し、敵後衛にテレポートさせてスキル発動、周囲にタウントを入れたのち元の位置に復帰。敵後衛陣がガリオ目指して前進することで敵のポジショニングは壊滅!注:おそらく最善手ではありませんが、決まると最高に楽しい一手です。
エーテルブレード+呪いの刃+シェン:シェンのヒーローオーグメントとスキルで敵のスターレベルを下げまくる!相手にトラウマを植え付けるおもしろ体験をどうぞ。攻撃速度系アイテムを追加するとベストです。PS:呪いの刃は相手のスターレベルを0にできるってご存知でしたか?ちなみにスターレベル0の状態では★の半分のスキルダメージしか出なくなります。
キヤナのシヴィアなりきり:キヤナにラピッド ファイアキャノンを積んでスキルを発動させ、敵盤面を丸ごと切り刻む!これであなた(のキヤナ)も誰もが羨むシヴィアそのもの。
枯死の宝石+モルガナ:敵チーム全体の魔法防御を崩し、最終的にはモルガナのスキル回転もどんどん高速化!
超越者アニー:ブルーザーの紋章と超越のタリスマンを手に入れたらコレで決まり。見た目は9歳女児の絶対不倒タンクが爆誕します。
新アーティファクトは独自の勝ち筋を生み出すポテンシャルを秘めており、これからまったく新しい、凄まじく強力な戦略を生み出してくれるでしょう。本パッチで試したい組み合わせがある方はぜひ教えてくださいね!次のパッチでナーフしなくちゃいけないかもしれませんから!
5種類の新サポートアイテムが登場し、マーターズ ヴァーチュにテコ入れ強化を追加。「極上ヴィンテージ」や「不動のサポート」オーグメントで取りうる戦略の幅が広がります。個人的に当たりだと思っているアイテムは不安定なトレジャーチェストと怪しげなトレンチコート(アーティファクト)の組み合わせです。だってチームメイトに合計12個のアイテムを配るんですよ!不安定で怪しげなのに、驚くほど魅力的です。
マーターズ ヴァーチュにバフが入り、強化回復が必ず2回発動するようになりました。これまで発動タイミングによっては強化回復の2回目が発動しないことがあったので、この変更により安定性が大幅に向上します。しかも、今回はさらに回復量自体にもバフを追加。他のサポートアイテムに見劣りする状態を是正するため、かなり大幅な強化を施しました。
新アーティファクトと同様、新サポートアイテムもこれから強力な組み合わせがどんどん発見されていくことでしょう。たとえば、フォビドゥン アイドルとムーンストーンの再生、あるいは永遠の炎とベヒーモス多人数構成の組み合わせも良いかもしれません。新たなコンボを思いついたらぜひ教えてくださいね!
不安定なトレジャーチェスト(新サポートアイテム)と怪しげなトレンチコート(新アーティファクト)の両方を入手し、「怪しげで不安定なトレジャーコート」ビルドを完成させられる確率くらい小さな、小さな変更です。
★★★コスト4の出現頻度が高いメタであった副産物として、各ユニットのパワーレベルを評価するデータが豊富に集まりました。今回のパッチでは★★★完成の難易度が上昇したので、あわせて活躍度が低かったコスト4ユニットにもバフを実施しています。
弱い状態にあったクレスト系/クラウン系/特性関連オーグメントに1~2ゴールド相当の強化です。低コストユニットを追加で付与するようにし、対象特性を発動させやすくしました。
ダブルアップはレベル上げ最優先の進行に偏っており、★★★のコスト4/5を完成させることが最善の勝ち筋となっていました。現在のエコノミー/パワーレベルは平均以上の水準にあるため、そうした盤面が出現すること自体は特に問題ないと考えていますが、「安全にゴールドを貯め、ラウンド敗北をそれほど気にせず★★★を狙える」戦略ばかりがメタを席巻するほど「安定的に★★★を狙える」のは望ましくありません。今回のプレイヤーダメージ上昇により、早めにパワースパイクを迎えたデュオが終盤戦のスケーリングに賭けた対戦相手を咎められるようになるため、試合のテンポは早まることになるでしょう。まあ、私とMortdogがダブルアップのランク戦をプレイする時、私は変わらずフォーチュンを決め打ちし、Mortdogに序盤戦のキャリーは任せたと言い……終盤戦のキャリーも任せることになるでしょうけれど。