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データから読み解く

スキルの傾向

クレアボヤンス・ブログ

皆さん、お元気ですか?私はデータサイエンティストのJEOPARDYです。今日はマシンラーニングの大御所RIOT NITSUABOと共に、プレイヤーの皆さんの上達に役立つ知恵を分かち合いたいと思います。私たちはリーグ・オブ・レジェンドの試合で発生するほぼすべての事象のデータを収集しています。世界中のプレイヤー一人ひとりがゲーム内で何回スキルを発動するかも含め、すべてです。

集積したデータを調べ始めると、なかなか奇妙な結果が得られました。あらゆるプレイヤーにとって興味深い内容だと思います。早速見ていきましょう。



所見その1:リヴェンに限った場合

奇妙な話をする前に、比較的シンプルでわかりやすい例から始めましょう。リヴェンは一般的に高い”メカニクス”が求められるチャンピオンと考えられています。マナが不要でクールダウンもやや短いため、このコンボクイーンの力を最大限に引き出したければ、タイミングを見計らってスキルを適切な順番で発動すればよいわけです。下のデータではスキル発動順の詳細まではわかりませんが、プレイヤーのレベルとリヴェンのスキル発動の相関性をみることができます。基本的には、キーを押す回数が増えるにしたがい、MMR(マッチメイキングの基準となるレート)も上がっていくようです。

リヴェンのQ

MMRが上昇するにしたがい「折れた翼」の発動数も増加

グラフの分析はお好きでしょうか?これからこのグラフを隅々まで愛情たっぷりにいじくりまわすので、ついてきてくださいね。わずか17段階のカンタン分析です!

1. Y軸は1分あたりに発動されるスキルの回数で、この数値が高いとプレイヤーがそのスキルを頻繁に発動していることを意味します。

2. X軸はプレイヤーのランクです。一番左側にいるのはライアットのRumtumtummersのようなWood Divisionの初心者、一番右はたぶんFaker選手です。

11. 濃い色のラインはそのMMRのリヴェン・プレイヤーによる1分あたりのスキル発動の中央値です。つまり全リヴェン・プレイヤーの半分はこの値よりもスキル使用回数が少なく、もう半分のプレイヤーはこれよりも多いということになります。

17. 帯状になっている薄い色の部分は、私たちが考える各ランクのリヴェン・プレイヤーによるスキル発動の傾向を示します。帯の一番下は1分あたりのスキル発動の下位5%を指しており、ある地域のこのランクのプレイヤーのうち、これよりスキル発動回数が少ない人は5%しかいないという意味です。帯の一番上は95%域を指しており、ある地域のこのランクのプレイヤーのうち、これよりスキル発動回数が多い人は5%しかいないという意味です。別の言い方をするならば、ある地域のリヴェン・プレイヤーの90%は、毎分この帯の範囲内でスキルを発動しているわけです。

ということで、平均的なダイヤモンドランクのリヴェン使いはブロンズランクのプレイヤーよりも「折れた翼(Q)」を頻繁に使用していることがわかります。ですが最も低いランクのリヴェン・プレイヤーであっても、その一部は典型的なダイヤモンドランク・プレイヤーよりも多くQを使用しています。Qを連打すれば強くなれるわけではないのです。帯状の部分を見ても、多くのダイヤモンドプレイヤーのQ使用回数が平均的ブロンズプレイヤーよりも少ないことが見てとれます。強いリヴェンが全員Qを使い倒しているということでもないわけです。

その他のリヴェンのスキルを見たところ、Eに関しては同じ傾向がみられ、WとRに関してはそれほど顕著ではありませんでした。


リヴェンのW、E、R



所見その2:サポートの強力なスキル

リヴェンの例に基づいて考えると、「そうか、ランクの高いプレイヤーはもっとスキルを使うんだ」と思うかもしれません。しかし――と、メガネをスッと持ち上げつつ――それは実際、どのチャンピオンを使っているかによって異なるのです。サポートの多くは強力な補助性能のあるスキルを持っていますが、高いMMRにおいて、それらのスキルの使用頻度は低いのです。

スレッシュのQ

MMRが上昇するにしたがい死の宣告の発動数が低下

例としてスレッシュの鎖(Q)をみてみましょう。このスキルはまだ使っていないときに大きな力を発揮します。スキルをとっておくことで、対戦相手はあなたがいつスキルを発動するか気にせざるを得なくなります。そのためCSの獲得チャンスをある程度犠牲にして、ミニオンの背後に位置取りをするようになります。しかも鎖のプレッシャーがあるため、あなたがタワーの直下にいるときであってもポークを躊躇するでしょう。自分に死の宣告を下したい人間などいませんからね!


ジャンナのQ

高MMRプレイヤーに「ハウリングゲイル」を温存する傾向がある

ナミのQ

高MMRプレイヤーに「水の牢獄」を温存する傾向がある

ジャンナの「ハウリングゲイル」(Q)ナミの「水の牢獄」(Q)も似たような働きをします。いずれも前のめりなポークやエンゲージのためのスキルですが、カウンターエンゲージに使うときは一層輝きます。敵が全速力でこちらに向かっているときは、レーン戦のファーム目的でウロウロしているときよりも動きを予測しやすく、それだけスキルショットを決めやすくなります。



所見その3:キャリーの補助スキル

これが当てはまるのはサポートチャンピオンだけではありません。キャリーチャンピオンの一部は小競り合いの際に輝く貴重な補助スキルを持っています。ほとんどの場合、これらのスキルは状況をどれだけ把握しているかによって効果が変わり、敵とのトレードに勝利するかどうかはこれらのスキルの使い方によって左右されることがほとんどです。このようなハイリスク・ハイリターンのスキルは、基本的にダメージ能力には期待できません。フィオラの「リポスト」によるポークを少しだけ強化したり、ウーコンの「代わり身の術」のダメージを少しだけ上振れさせるためだけに魔力を積む人はいません。それにこれらのスキルはクールダウンが長いことが多く(「リポスト」はレベル1で24秒)、ボタンを押すときはそれなりの成果をあげなければいけません。

ドレイヴンのE

高MMRプレイヤーに「薙ぎ払い」を温存する傾向がある

ドレイヴンの「薙ぎ払い」(E)は上記の補助スキルの一例です。低MMRのプレイヤーは戦闘中にストレスが溜まり、なるべく早く最大限のダメージを与えようとしてスキルをフルに使おうとするかもしれません。しかしドレイヴンのEは非アルティメットスキルの中でも最大のマナコストに設定されており、すべてのトレードで使うべきツールではないのです。むしろ敵チャンピオンに対するエンゲージまたはディスエンゲージ手段として温存すべきでしょう。タイミングを合わせればトリスターナの「ロケットジャンプ」を妨害することだってできるのです。

皆さんは、ウメハラの操るケンがジャスティン・ウォンの春麗の攻撃をブロックし続けて逆転勝利したEvo Moment #37の動画を見たことがありますか?ウメハラの数十分の一の技量と努力で同じことができるとお伝えしたらどう思うでしょうか?ですがそれこそフィオラの「リポスト」(W)の役割なのです。


フィオラのW

MMRが上昇するにしたがい「リポスト」の発動数が減少

このスキルは相手の動きに反応して使うこともできれば、相手を読み切ったうえで使うこともできます。CCに対応して使えば相手をスタンすることができますし(モルガナのダークバインドが迫ってくるときなど)、大きなダメージ(ダリウスの攻撃など)から身を守ることもできます。しかしミスすると発動する0.75秒の間その場所にとどまることになり、敵に有利な位置取りをされてしまいます。スキルが決まった場合は大きなダメージをしのぐことができ、特に強力なCCを持つ敵に対しては形勢逆転の契機となるでしょう。



所見その4:地域差

(基本的にはKR)

これまではいくつかの地域におけるスキル発動のデータをお見せしてきましたが、いずれも基本的には似通っていました。しかし例外もあります。というのも、韓国での運用のされ方は他の地域と異なるのです。

ウディア

韓国

ウディア

世界

世界中のウディア使いの「不死鳥の型」(R)の使用頻度は、MMRが上がるに従い減少するのですが、韓国だけが例外となっています。韓国では高MMRになるほど「不死鳥の型」の使用頻度が上がっています。マップ上を単騎で駆けまわるスプリットプッシュに「不死鳥の型」が適しているからでしょうか?確かにウディアの他のスキルと比べてもミニオン処理における速度は圧倒的で、ルーンエコーのような魔力が増加するジャングルアイテムの力を借りるとさらに強力となります。とはいえ実情は分かりません… 自分ではウディアをプレイしないので。もし何か思い当たることがあれば、ぜひ教えてください。


トランドル

韓国

トランドル

世界

もうひとつの地域差の例がトランドルの「咬み付き」(Q)です。そう、もう予想がついたでしょうが、韓国では高MMRで頻度が減少するのです。トップレーンの近接戦闘やジャングリングではよく使われるものの、トランドルがサポートとして動くときはほとんど使われません。サポートの場合は一時的なCC、エンゲージ手段として「氷冷の柱」(E)が広く使われています。ほとんどの地域では高MMRになるほどトランドルのQの使用頻度が上がるため、高MMRのトップレーン近接戦闘で「咬み付き」が多用されていることが伺えます。しかし韓国ではトランドルが高MMRのサポートとして使われることが多く、そのためレーン上の敵に歩み寄って攻撃する機会が少ないものと思われます。




ここまで読んでくださった皆さん、お疲れさまでした!あなたのグラフ分析MMRはダイヤモンドレベルに到達しました。皆さんのチャンピオンプールのグラフはどのようになると思いますか?一部のスキルを連発して他のスキルをおろそかにしていませんか?ぜひ感想やご意見をお知らせください。