「Mac IMEはよ」開発者インタビュー

Chockyによる

こんにちは、Chockyです!僕はMacユーザーで、リーグ・オブ・レジェンドをプレイする時にもMacを使っています。チームメイトとチャットするときローマ字しか使えないことにうんざりしているライアターでもあります。

そのせいでゲームを全然楽しめないということではありませんが、Macでプレイしている他のたくさんのプレイヤーたちと同じように、IME(日本語入力システム)が使えず、日本語の文字が入力できないことを不便に感じています。僕たちは最近、ゲーム内のUIを整理しましたし、musedfusedはLoLがよりLoLらしく見えるようにハイブリッド日本語フォントを導入しました。そこで今回僕は、 IMEチャット機能の開発に取り組んでいるエンジニア・jepiのデスクを訪れて、他の機能の導入が完了しつつある中、なぜこの機能の開発にこんなにも長い時間がかかっているのかを尋ねてみました。




C(Chocky): jepiさん!今日はどうしても聞きたいことがあって来ました。

J(Jepi): ぜひなんでも聞いてください。


C: ずばり聞きます。僕がMacでリーグ・オブ・レジェンドをプレイしてて、気になったことです。フォントアップデートの際にMacのIMEが修正されなかった理由はどうしてですか?

J: 実は、フォントアップデートはチャットのインターフェースとは無関係なんです。


C: そうなんですか?

J: フォントというのはチャットを表示するために使われるもので、チャットの機能を制御するものではありません。


C: それでは、日本語で入力できないのは何が原因なんですか?

J: LoLの開発時に、Mac OSXでのIME入力をサポートしていないシステムを選択したからです。


C: ということは、同じ問題を抱えている地域が他にもあるんですか?

J: それについては、イエスでもありノーでもあります。現在この問題を抱えているのは僕たちの地域だけです。なぜなら、言語入力にIMEが必要で、なおかつリーグ・オブ・レジェンドでMac版のクライアントをサポートしているのは、日本だけだからです。


C: じゃあ、中国や韓国では…

J: Windows版クライアントしかありません。日本にいる誰もがLoLをプレイできるようにMac版のクライアントをリリースしたのはいい判断だったと思います――たとえ一部のプレイヤーのコミュニケーション手段が完璧ではなかったとしても。僕自身もMacを使っているので、チームメイトとローマ字でコミュニケーションをとらなければならない不便さは理解しています。


C: なるほど。それでは修正のために、具体的には何が必要ですか?

J: チャットシステムのすべてを書き直しています。


C: ゼロからですか?

J: 最近のUIアップデートで使われたものの一部は利用できましたが、基本的にはゼロからですね。


C: 汎用的に使えるコードは存在しないんですか?

J: LoLがゲームじゃなかったなら、ドラッグ&ドロップだけで簡単にUIを作成できるツールキットは存在します。でも僕たちには、そのような楽な選択肢はありません。ゲームのパフォーマンスなどのさまざまな理由から、すべてを自分たちで作る必要があるんです。僕自身、あって当たり前だと思っていたものが存在しないと分かることが今でも多いですね。僕は以前、ゲームエンジンの開発をしていたのですが、こういったエンジンのツールキットのUIですら新規にデザインしなければならないものだとは思ってもみませんでした――そして今は、まさにそれをやっているんですけどね。


C: ではこれまでに、どのような部分の開発をしてきたんでしょう?

J: 色々ありますが、最近はテキストに色を付ける機能を完成させました。他にはワードラップの機能や、ハイライトしたテキストにアンダーラインを付ける機能、テキストの入力中に点滅するカーソルなど…普段あまり気にもしない色々なものですね。でも、すべてを一つずつ作る必要があるんです。すっごく地味な仕事が多いです(笑)


C: それでもまだ、IMEは新しい環境で機能しないんですか?

J: その通りです――そしてそれが一番大きな問題ですね…他にも色々と小さな問題はありますが。文字を変換するにはさまざまな手順を踏む必要があります。たとえば、IMEのメニューをポップアップさせて、候補となる文字のリストをスクロールして、自分が探しているものを見つけて選択する、というように。


C: 作業は進んでいますか?

J: そうですね。基本的なバージョンは僕のコンピューター上で動くようになりましたが、見た目はまだ全然よくありません。


C: ライブサーバーに登場するのは、まだ先になりますか?

J: はい。この問題に取り組むため、NAのオフィスにいるUIチームのエンジニアにもずいぶんと協力してもらっています。でも、新しいコードを以前のコードに組み込むと、さまざまな問題を引き起こす可能性があるんです――最悪、ゲーム自体が動かなくなってしまう可能性もあります。ゲームに組み込む前に、コードの一行一行に厳密なチェックを行い、QAプロセスに通す必要があります――これに時間がかかるんです。僕がLoLというゲーム自体を壊してしまう可能性もあるわけですから。


C: 完成はいつ頃になりそうですか?

J: 作業は順調に進んでいて、完成のめどは付いています。正確にいつだとは言えないんですが、こういうとき英語ではよく、“SOON™”(もうすぐ)ってジョークを言うんです。完成が見えているのは事実ですが、そこに到達するまでにはまだまだやらなければいけないことがあります。


C: 次の手順はどんなものか、聞いてもいいですか?

J: 基本的な機能は完成したので、次はUIアーティストに協力してもらって、見た目をよくして、プレイヤーが一目見てそれがチャットウィンドウだとわかるようなものにしたいですね。現在ゲーム内で使われているチャットウィンドウよりも、いいデザインになったらいいなと思っています(笑)

まだ少し時間がかかってしまいますが、皆さんにお披露目するのが待ち遠しいです!



この話を聞いてデスクに戻った僕は、自分のMacにログインして、カーソルの点滅やハイライト、そしてフォントカラーの存在にあらためて気付いたのでした。


6 months ago