ORIGINS:リヴェン

bananaband1tによる

砂のメイジから正確無比な刃の脚まで、LoLの136体のチャンピオンにはそれぞれの始まりがありました。今回は、リヴェンの誕生についてお話しします。


ノクサスの戦士

最近は2ヶ月に1回のペースで新チャンピオンがリリースされています。2016年には6体の新たな挑戦者がやってきました。しかし、2011年にはまるで状況が違っていました。当時は新たなパッチがリリースされるたびに、新たなチャンピオンがサモナーズリフトに登場していたのです。積極的に新チャンピオンをリリースしてLoLの世界を拡大することが当時の狙いであり、コンセプトからリリースまで、新チャンピオンの開発プロセス全体を6週間足らずで完了していました。

この年にリリースしたチャンピオンのほとんどは、ルーンテラの各地域で登場が待たれるサブクラスを埋めることを目的としていました。ビルジウォーター出身のタンクがいたらどんなチャンピオンになるのか?アイオニア出身のメイジなら?「陣営ごとのプレイスタイルの違いを明確にして、各地域が画一的なものにならないようにしたいと考えていました」とシニアゲームデザイナーのKuo-Yen “Xypherous” Loは言います。

初期のデマーシア出身のキャラクターはどれも似たり寄ったりで、デマーシアの住人は誰も彼も欠けるところのない倫理観の持ち主であると感じられ始めていました(それ自体はいいことですが、全員がそうだと感じられるなら問題です)。そこで、デマーシア人は法を順守する堅物ばかりではないことを示そうと、デマーシア出身の型破りなチャンピオンを作ろうと決めました。

ちょうどその頃、Xypherousは3つのパートからなる格好の良い近接コンボのスキルをデザインしていました(これがのちにリヴェンのQとして知られるようになります)。この新スキルを使えるデマーシア人の戦士を開発しようと考えましたが、デマーシアからはすでに複数の近接チャンピオンが登場していることに気付きます(ガレン、ジャーヴァンⅣ、シン・ジャオ)。陣営に対する固定観念を破るという基本を尊重し、開発チームは代わりにノクサス人は悪人ばかりではないことを示す狙いで、ノクサス出身の戦士をデザインしようと考えました。

ノクサスの首都

Xypherousは、PCゲームの「プレーンスケープ トーメント」に登場する流浪のモンクが使う、精神状態に応じて変化する武器からインスピレーションを受けて、傷ついた心を抱えながら傷ついた剣を振るうキャラクターを思いつきました。リヴェンはかつてノクサスに忠誠を誓った兵士であり、人間の価値を示す究極の指標は強さだと信じていました(どのような形であれ)。しかしアイオニアへの侵攻中に、シンジドの生物化学兵器による、ノクサス人もアイオニア人も関係のない無差別攻撃を受けたことで彼女の信念は揺らぎます。その攻撃は個人の「強さ」や技量によらない大量殺戮でした。そしてノクサスの指導者たちは化学兵器の使用を支持したのです。「その後リヴェンは失望し、自分の剣を破壊し、ボロ布をまとい、新たな自分を見つけるためにノクサスを去ります」とアーティストのAnton “RiotManton” Kolyukhは言います。

リリースされたリヴェンの2つのスキンは、放浪後の彼女の2通りの可能性を表現したものです――浄罪者リヴェンでは、彼女は独自の道を歩み、半ば聖なる存在になります。真紅の精鋭リヴェンでは、彼女はノクサスに戻って司令官になります。


魂はなくしていない

RiotMantonがリヴェンのスケッチを始めた時、彼は男女両方のスケッチを描いていました。それはキャラクターの性別がまだ確定していなかったためですが、最終的に2つの理由で女性キャラクターに決まりました。1)過去に登場した近接攻撃チャンピオンのほとんどは男性キャラクターだった 2)これまでLoLに登場した女性チャンピオンのほとんどが肌を露出してセクシーさを強調したキャラクターだった。これは、LoLに登場する女性キャラクターの幅を広げる絶好の機会だと思えました。「強くてカッコよく、肌を露出していないリヴェンが、女性に決まってすごく嬉しかったです。」とRiotMantonは言います。

女性および男性のコンセプトアートバリエーション


“リヴェンは陽光の下で放浪していたので、当初はもっと浅黒い肌にする予定でした。でも、もっと『ファイナルファンタジー』っぽくすることにしたんです” とRiotMantonは言います。

リヴェンは兵士なので、かつてはノクサスの鎧を全身にまとっていたでしょう。しかし追放者としての道を選んだあとは、いつまでもそれを身に着けてはいないはずです。ですがそれでも、過去の名残として古い鎧の一部ぐらいは残しておいたかもしれません。「最終的に鎧のどの部分を残すかについては、ゲーム内での見栄えで決めることにしました。大きな肩甲とすね当てがそれにあたります」とRiotMantonは言います。

ノクサスを象徴する色は常に赤と黒だったわけではなく、緑と紫だったこともありました(スウェイン、カシオペア、アーゴット)。リヴェンの鎧と剣が両方とも緑色なのはそれが理由です。さらに、初期のサモナーズリフトは緑色が多かったため、彼女がゲーム内で映えるように、RiotMantonは青みがかった緑色のカラーパレットを使用することにしました。

おまけの秘話:当時はチャンピオン開発にかけられるリソースが限られていました。時間を節約するために、リヴェンのルーンを描いたアートがビジュアルエフェクトのベースとして使われています。彼女のパーティクルエフェクトの一部のテクスチャはコンセプトアートからのコピペです。

リヴェンのビジュアルエフェクトの一部は、このコンセプトアートから取ったものです。


ブレードの鍛えなおし

アルティメットスキル中のリヴェンの剣のゲーム内モックアップ。

リヴェンの砕かれた剣がアルティメットスキルで再生するアイデアは、最初期のコンセプトから存在していました。当初はルーンが異なる色に光りながら剣の輪郭が表示され、その後、「ド派手なビジュアルエフェクト」と共に剣全体が出現していました。この変形を印象付けるには、ゲーム内で長い時間を割いてビジュアルエフェクトとアニメーションに注目させる必要がありました。

しかし実際のゲームプレイに当てはめてみると、エフェクトを表示できる時間は0.5秒しかなかったために、ドラマチックな変形のアイデアはボツになりました。その代わり、「追放者の剣」を発動する時に独自のボイスオーバーが再生されるようになりました。LoLでこのようなボイスオーバーの技術が使われるのは、これが初めてでした。

リヴェンの剣が作り直されたら、次はアルティメットスキルのゲームプレイメカニクスを考える番です。剣の変形中、リヴェンは何をすべきでしょうか?変形したあとは?ボツになったアルティメットスキルを以下に紹介しますので、少しの間お付き合いください。Xypherousのコメント付きです。

  • シヴァーナじゃないんだから:攻撃することでチャージされる“怒り”バーがあり、攻撃的にプレイすればするほど強化形態を長く保つ。ボツになった理由:「これは単純にやり過ぎでした。彼女は最初から攻撃的なチャンピオンですから」
  • 待って、何それ?:リヴェンのスキルがオートアタックをリセットして、オートアタックはスキルをリセットする。ボツになった理由:「これはただただ…酷い案でした」
  • スーパーウーマン:アルティメットを発動すると衝撃波が発生し、周囲にいるすべてのユニットをノックバックする。ボツになった理由:「『あ…誰もいなくなった。早く近接攻撃型に戻って攻撃しないと』という感じでした」
  • レーザー:スキルを使うたびに剣から光線が発射される。ボツになった理由:「さすがにこれもやり過ぎだったので…1つの動きに限定しました」

リヴェンのリリース時のスプラッシュアート

リヴェンは格闘ゲームのキャラクターのようなゲームプレイを目指してデザインされました――動きが素早く、コンボが複数存在します。アニメーションをキャンセルできることは、そのようなゲームプレイパターンに合っていました(それに彼女は訓練を積んだノクサスの兵士なので、派手な動きの剣の使い手であってもおかしくありません)。ただし、実際にリヴェンのキャンセルの対象となるアニメーションの範囲は想定外のものでした。当初はQやEのような長いアニメーションだけをキャンセルさせるつもりでしたが、当時使っていたコーディングシステムのせいで、オートアタックまでキャンセル可能になってしまいました。「ゲームエンジンのデザインが、そもそもアニメーションのキャンセルには向いていなかったんです」とXypherousは言います。「でも、今からそれに変更を加えるかと言われれば、数値を調整するか、新たなコンボを追加するでしょうね」

こうしてオートアタックのキャンセルを携えて、ノクサスの追放者はサモナーズリフトで決闘する準備が整いました。それ以来彼女は、ボタンを連打しながら悔し涙を誘う楽しさを皆さんに届け続けています。


ORIGINSはチャンピオン開発の舞台裏を深い部分まで覗いて紹介するシリーズです。シリーズについての意見や感想、そして開発秘話を一番読んでみたいチャンピオンは誰かなどを、下のコメント欄で教えてください!


1 week ago