「ルーンの部屋」第一回:開発中のコンテンツを紹介

Riot Reinboomによる

※この記事はNAボードポストの翻訳です。記事中に登場するルーンの仕様は開発中のものであり、今後変更となる可能性があることをご了承ください。

こんにちは、Riot Reinboomです!

連載企画、「ルーンの部屋」第一回へようこそ。「ルーンの再構築」に携わっている開発チームがこのシリーズ記事を通じ、システム全体のデザイン理念やこれまでに検討してきたことの解説、新ルーンの紹介などを行っていきます。皆さんからの記事内容へのフィードバックもお待ちしていますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は以前のマスタリーから引き継がれたものやそれらへの変更、「アダプティブ」という重要な新システム、そして効果に明確なトレードオフを持つルーンについてお話しします。


マスタリーを継ぎしもの

キーストーンのシステムは私たちにとって、来たる「ルーンの再構築」に備えてのテストの場と呼べるものでした。より大規模なプロジェクトに取り掛かる前に、自分たちが考えている方向性で実際にゲームが改善されるかどうかを確認する必要があったのです。「パワーを局所集中させることは有効なデザイン戦略と言えるのか?」、「バランス調整を何度も経たシステムはどのように変化していくのか?」、そして特に「プレイヤーはこのシステムを気に入ってくれるだろうか?」といった疑問への答えを、私たちは探していました


学んだこと

私たちはキーストーンによって得られるパワーに明確な上限と下限が存在していることを発見しました。さらに、それまで把握していなかった注意すべき点も明らかになりました。また、インゲーム前の「戦略的判断」を支えるためには9個のキーストーンだけでは足りないことも分かりました。キーストーンにパワーを集中させることで、「キーストーン以外の要素で独創的な選択をすることが可能になる」というのも、得られた知見のひとつでした。


危険な駆け引き

ルーンとして再構築されたマスタリーの一例をご紹介します(以下で用いる名称や用語は今後変更される可能性もありますが、ご了承ください)。


血の渇き

テイクダウンを獲得すると失われた体力の15%を回復する。これはとても優れたマスタリーである「危険な賭け」の効果を増幅したものです。

明確なリスクと引き換えにパワーを得て、プレイヤーが採ろうと考えている戦略を強化してくれます。ここで重要なのは、このルーンが指し示す戦略が「すべての人にとって望ましいものではない」ということです(これは万人向けのルーンではないので、それで良いのです)。

また、「血の渇き」の回復量が「危険な賭け」と比べて純粋に増えていることにお気付きになるでしょう。新たなルーンは、以前のマスタリーと比べて個々の効果により強いパワーが凝縮されています。


キーストーンの可能性を探る

何らかの形で新システムに引き継がれて「キーストーンルーン」となったものの中には、これまでとは変わるものもあります。

ルインドキングの贈り物

戦闘中4秒毎に、通常攻撃が周囲の敵チャンピオンまたは大型モンスターに自身の最大体力の3%分のダメージを与え、レベルに応じてこの効果で与えたダメージの[20~75]%分、体力を回復する。遠隔攻撃チャンピオンはダメージと回復量が半減する。

自分の下した選択にしっかりと意義を感じられるよう、キーストーンは現在のものよりも少しだけパワーアップします。またツールチップにも変更を行い、「短く要点をまとめたもの」と「長く詳細なもの」の両方を用意して、効果の詳細をより深く理解できるようにします。


“アダプティブ”

「ルーンの再構築」の発表時に、新システムにおけるクールダウン短縮獲得の手段として「オーバーチャージャー」を取り上げましたが、その中で使われていた「アダプティブ」という言葉を覚えている方もいるかもしれません。これは様々なルーンで使われることになるキーワードであり、以下の「完璧主義者」のルーンでも登場します。

完璧主義者

自身の体力が80%以上残っていると、レベルに応じて攻撃力が最大+14、または魔力が最大+20増加する。アダプティブ(自動でどちらかを選択)。

「アダプティブ」と記されているルーンは、使用するチャンピオンやゲーム内のアイテムビルドに応じて効果が自動で変化します。「アダプティブ」ルーンは、所持アイテムにより多く備わっている攻撃力、または魔力を自動で付与します。


アダプティブを採用した理由

新しいルーンをデザインする際、私たちは興味深い問題に直面しました。ルーンは試合の序盤において大きなパワーをチャンピオンに提供するため、自分に合ったルーンを見つけられない場合、とても不公平に感じられてしまうのです。とはいえ、プレイヤーが混乱してしまうほど多くのルーンを用意するというのも正しい判断とは思えませんでした。

これについては様々な方向から解決を試みました。私たちが答えを出そうとした主要な問いの一つは、「攻撃力を積むスキルファイターはどうすべきか」でした。ルーンの各パスは特定のタイプのチャンピオンを対象としており、メイジ向けにかなりの魔力とその他の効果を付与する「魔術」パスは、結局のところ、エズリアルやジェイスが求めているものに近かったのです。「魔術」パスから得られる魔力は、彼らの役には立ちません。攻撃力と魔力の両方を与えるようにもしてみましたが、両方のステータスを活用できるチャンピオンが手の付けようがないほど強くなってしまいました。

ルーンは、試合中に変更することを前提にしたシステムにはできません。アイテムであれば、タンクビルドをしている対戦相手に対応できることが重要になりますし、購入と売却の機能は、そうするために必要な柔軟性を元々提供しています。そこにさらなる戦略上の柔軟性を加えてしまうと、相手の戦略に対応することは困難極まりなくなってしまいます。しかし、ルーンは試合の開始前に確定されるため、各ルーンにそもそも高い柔軟性を持たせておく、ということはできるのです。

そこで、「アダプティブ」の登場です。


話を「完璧主義者」に戻します

プレイテストで「アダプティブ」を導入してみたところ、数多くのルーンが、予想だにしなかった効果を発揮して戦略的シナジーを提供できることがわかったのです。

完璧主義者(もう一度)

「完璧主義者」は、その好例です。このルーンは大ダメージではなく、細かなダメージ交換が行われるレーンを想定して設計されました。

効果的なダメージ交換の繰り返しを足掛かりにして、回復能力を持つチームメイトとの間に相乗効果を生み出すことが狙いでしたが、その需要はボットレーンに限定されないことが判明したのです。トップレーンのスローペースな殴り合いにおいては違う効果を発揮し、ずっとロームしていて体力が常に満タンなミッドチャンピオンたちには交戦の機会を与えました。「アダプティブ」を導入したことで、「少しだけステータスを変えた、似たようなルーン」を複数用意せずとも、これらすべてのニーズに応えることができたのです。


より明確なトレードオフ

新たなルーンシステムでは、過去に導入を躊躇したものにも挑戦していきます。たとえば、直接的なマイナスの影響を合わせ持つ効果です。

このような「メリットとデメリットを合わせ持つ」効果は扱いが難しく、最初は物珍しさで使ってみることはあっても、負のステータスがはっきりと分かる何かを使いたがるプレイヤーはほとんどいません。このような効果は、そこから得られるメリットとデメリットを分かりやすくする必要があり、「どうすればデメリットを最小限に抑えられるのか」が重要なポイントになります。

「啓示」パスは間接的なパワーや、ルールを捻じ曲げてしまうような能力に特化したパスですが、そこに“メリットとデメリット”の好例があります。

魔法の靴

試合開始から10分経過した時点で、コスト無しで「少し速いブーツ」を獲得する。ただし、10分より前にはブーツを購入できない。

この「少し速いブーツ」は、移動速度+10が追加付与された、移動速度+35のブーツである。(このブーツをアップグレードした場合も、移動速度+10の効果は引き継がれる)

「魔法の靴」には、この“メリットとデメリット”の理念が反映されています。「デメリットを最小限に抑え、メリットを活かす」――例えば相性の良い相手の場合、自分の足が遅くても特にデメリットにならない場合もあるでしょう。強気でレーンをプッシュし、10分の時点でブーツを獲得すると同時に強力なアイテムを揃え、中盤から積極的に仕掛けていく…というのも良いでしょう。「魔法の靴」ではそのプレイヤーの「賭け」が試されます。デメリット(=最初の10分間はブーツが買えない)が問題とならない場面――回避しやすい方向指定スキルや、追われても逃げることのできる特定の近接攻撃チャンピオンといった状況を見極めて立ち回ることにより、後で役立つブーツ1足分の増加移動速度をタダで獲得でき、さらに、移動速度+10の追加効果まで付いてくるというわけです。


今後も「ルーンの再構築」で導入される新たな効果やデザイン哲学について、さらに紹介していきます。システム自体についても詳細を明らかにしていきますので、ご期待ください。

お読みくださりありがとうございました。皆さんのご意見をお待ちしています!



3 weeks ago