Dev
/dev: 2021年Clash定期報告

今年予定しているClash関連の取り組みについて。

Dev作者Riot Codebear
  • クリップボードにコピーされました

皆さんこんにちは。「リーグ・オブ・レジェンド」コンペティティブゲームチームのプロダクトリード、Cody “Riot Codebear” Germainです。

昨年はランク戦、マッチメイキング、そしてプレイヤー行動システムに関する状況報告は頻繁に行えた一方で、Clashに関しては比較的発信が少ない年となってしまいました。そこで今回はClashの新シーズン開幕というタイミングに合わせて2020年の取り組みを振り返り、2021年中の達成を目指している改善目標についてお話ししてみたいと思います。

2020年の振り返り

2020年はずっと「開発中」状態だったClashをようやくリリースできた年でした。本記事を始めるにあたり、まずリリース前の初期ベータテストに辛抱強く協力してくださった皆さんに感謝の言葉を送りたいと思います。本当にありがとうございました。

ただし初めて無事にテストが終了した時でさえ、試合開始までの時間が長すぎる、サーバー負荷が高いなど解決すべき課題はいくつもありました。このため2020年は、インフラストラクチャーの改善、トーナメント運営の持続可能性向上(トーナメント運営や問題発生時の対応に必要な人員を減らすこと)、Clashで開催される膨大な数の試合を開始する上で必要となる技術支援体制の改善に開発リソースの大半を費やすこととなりました。もちろん現在でも時折ネットワーク関係の(特にLoL全体に影響する)問題が発生することはありますが、それも当初と比較するとかなり改善されてきています。


そして安定性と持続可能性の改善作業が一段落つき、チームはようやくClashの設計改善に着手できるようになりました。過去報酬の確認機能、Clashのマッチメイキング機能/スマーフ検出機能の改善第一弾、チーム作成機能バージョン1のリリース、16チームによるWorldsトーナメントブラケットの開催、そして雰囲気を一層盛り上げるClash専用ロード画面バナー/ゲーム内HUD要素の追加などがその成果です。もちろん、これらの取り組みは今年も継続していきます。

2021年のClash開発優先度

Clashの目標は、すべてのプレイヤーがチームの一員としてLoLの競技体験を最大限楽しめる場所にすることですが、その道のりは長く、旅路はまだ始まったばかりです。そこで今年はClashに対する関心とワクワク感を阻害している三大要因に注力していこうと考えています。

  • 足りないチームメンバーを探す方法を改善する
  • Clash参加の敷居を下げる
  • スマーフを早い段階で特定し対応する

各要因の改善策はパッチ単位で改善していける水準に達したところで順次導入していきます。

「チームを作成(Build-A-Team)」機能

アンケート結果によると、プレイヤーの約半数は参加したくてもメンバーが揃わない点を最大の苦痛だと回答しています。今週末のゾウンカップではこれに対応するべく、「チーム作成機能バージョン2をリリースします。バージョン2で利用可能な機能は以下の通りです。

  • (バージョン1)ソロプレイヤーはロールの第一希望と第二希望を指定した上で「Clash」タブから「フリーエージェント」を宣言できる
  • (バージョン1)チームのキャプテンはフリーエージェントのプレイヤーを検索し、チームに招待できる
  • (バージョン2)フリーエージェントは「チームを見つける」ページからメンバーを募集しているチームを検索し、参加申請を送れる
    • メンバーを募集していないチームのキャプテンはチームの状態を「締め切り」に設定できる
  • (バージョン2)キャプテンはフリーエージェントからの申請を受信した際に通知を受け取ったり、招待画面で承認待ちのプレイヤー一覧を確認したりできる

私たちは「共に楽しくトーナメント戦ったメンバー同士なら、自然とその後もチームを組むはず」という思想に基づいて、まずチーム編成の最初のステップに注力していきます。その後はチームを結成するまでの苦痛を軽減できたと確認できたところで、固定メンバーでプレイするチームがもっとClashを楽しめるようにする施策に取り組んでいく予定です。

Clash参加の敷居を下げる

今年最初のシャドウアイルカップでは、2020年シーズンのランク実績があるプレイヤーであれば、2021年シーズンの振り分け戦を終えていなくてもClashに参加できるようにする措置を取りました。参加するためだけに焦って振り分け戦を終わらせたくないプレイヤーの心情を考慮すると、これは総合的に見て良い措置だったと考えています。これを踏まえ、いつものメンバーで参加したいチームの全員が急いで振り分け戦を10試合戦わなくても参戦できるよう、今後も1月開催のClashでは同様の措置を取る予定です。

Clash参加の敷居を上げている各種要因のうち、解決に向けて取り組んでいるポイントのひとつがスケジュール調整です。これについては、Clashの開催頻度を月に1回から2週間に1回に上げることで、一回スケジュールが合わないだけで8週間のブランクが空いてしまう状況を回避できるようにしたいと考えています。また現在、通常のClashと並行して通年開催の特別なClashを開催する案も検討中です(週末参加が難しいプレイヤーに向けて平日にClashを開催するなど)。また16チーム制のConqueror Clashは今年中頃、Worlds Clashは年末に再び開催予定となっています。

スキル評価

2020年全体で、対戦相手と実力が拮抗していた/マッチメイキングは公平だったと感じた参加者の比率は最大で8%低下しました。私たちの評価指標上では比較的安定していたにもかかわらず、実際のマッチメイキング品質はプレイヤーの期待を下回っていたことが明確に示されたわけです。今後はこの問題を改善するため、高MMRプレイヤーのスマーフアカウントと参加プレイヤーの増加を考慮しつつ改善策を探っていきます。

その中で現在検討を進めているのが、2020年に導入されたランク戦マッチメイキング改善策をClashに導入することです。これを実施できれば、振り分け戦10試合以後の戦績が少ない新規アカウントのスキル評価精度を向上させ、トーナメント参加者がより対戦相手の実力を明確に想定できるようになります。

以上、今回の内容を簡潔にまとめると、2021年はClashの基礎設計の改善に注力し、競技エコシステムとして自発的かつ長期的に成長していける状態を目指します。そして先ほども述べましたが、最終目標はプレイヤーの皆さんに「Clashはリーグ・オブ・レジェンドのチーム戦を一番楽しく遊べる場所で、長く遊び続けたい」と感じてもらえる場所にすることです。それでは今週末開催のClashで皆さんの活躍をお祈りしています!

タグ:



  • クリップボードにコピーされました

関連記事
関連記事