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/dev チームファイト タクティクス:宿命から学んだ教訓

前セット「宿命」の教訓と、「チームファイト タクティクス:レコニング」での活かし方について。

Dev作者Riot_Mort
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「宿命」終幕まであと僅か、恒例の教訓記事の時期がやってきました。本記事では「宿命」セットのリリース前に示した約束を振り返りつつ、今後改善していくべき点を取り上げます。

要約

長文はちょっと…という方は要点をまとめたこちらをどうぞ。

振り返り

  • テーマとチャンピオンが背負う物語:「ギャラクシー」も優れたテーマでしたが、「宿命」のミッドセットアップデートではさらに一歩踏み込み、雰囲気とゲームプレイの両方を刷新しました。「レコニング」以後もテーマを深く掘り下げていくつもりですのでお楽しみに!
  • システム変更とチャンピオン数:チャンピオン数を58体で固定したことで、セットを通じてリロールの体感出現率を維持することができました。一方で今セットでは「選ばれし者」要素が原因で度々システム変更を余儀なくされています。今後はセット固有要素を設計する段階からシステム変更を予防できるよう取り組んでいきます。
  • ギャラクシー要素:ギャラクシーが試合のたびに変化する要素は「宿命」にも引き継ごうと考えていましたが、「選ばれし者」要素と組み合わせるとTFTの基礎となるゲームプレイが損なわれると判断し、最終的に中止しました。
  • ドラフトラウンド:「宿命」のドラフトラウンドでは予測性と順応力のバランスが取れた状態に一歩近づけたと考えています。ドラフトラウンドに大幅な変更が入る予定はありません。
  • アイテムの柔軟性:特定チャンピオンに持たせるアイテムの必須化と、特定のアイテム組み合わせが他の組み合わせよりも圧倒的な強さを発揮する状態を防ぐべく取り組んでいますが、完全な解決にはまだ長い時間がかかるでしょう。
  • 利便性向上:「宿命」ではセット期間を通じて多数の利便性向上アップデート(戦闘データパネルなど)を実施しました。今後も引き続き改善を進めていきます。
  • バランス調整とパッチの戦略:「宿命」ではとても良い状態のパッチをいくつか出せました。今後のパッチでも特定要素に特化する方針を継続していきます。

今後の取り組み

  • セット固有のゲーム要素&選ばれし者:「選ばれし者」要素は総合的には成功でしたが、いくつかの反省点もありました。「レコニング」のセット固有要素ではその教訓を活かし、TFTの基礎となるゲームプレイに与える影響を抑えつつ、プレイヤーが介入する余地を増やしていきます。
  • ミッドセット拡張:「宿命」のミッドセットでは、チームの核となるキャリーチャンピオンの入れ替え、新特性の追加、既存チャンピオンの特性変更、新ゲーム要素の追加を実施しました。今後はこれらをミッドセットの柱とし、「レコニング」でも同じ方針を取りたいと考えています。
  • チャンピオンの強さとコストの関係:各チャンピオンがコストと★レベルに応じた強さを発揮するバランス調整を行い、1コストチャンピオンを求めてリロールするスタイルから最速レベル9到達を目指すスタイルまで幅広いプレイパターンが有効な戦略となるよう努めていきます。
  • フォーチュン:パイレーツ、フォーチュン、宇宙海賊…今後も人に見せたくなるような(動画ウケしそうな)試合を生み出す、ワクワクする特性を用意していきます。

振り返り

まずは「ギャラクシー」終了時に改善するとお話しした点を振り返り、結果を評価してみます。

テーマと物語

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前回の振り返り記事では、今後もテーマの可能性を探り続け、雰囲気をできるだけ明確に描き分けていく予定だとお話ししました。「ギャラクシー」でも「エレメントの目覚め」から大きく改善できたと考えていましたが、手元のデータを確認する限り、「宿命」と「獣たちの宴」も大成功だったと評価してよさそうです。

空想的で清廉な世界を旅するイメージだった「宿命」では各チャンピオンがスピリット、ウォーロード、ダスクなどのスキンで登場し、セットに込められた物語を彩ってくれました。また「獣たちの宴」では新マップを複数リリースしたほか、フェイブルドやドラゴンソウルといった独自性のあるオリジンを追加できました。いずれも満足いく結果を出せたので、「レコニング」以降でも独創的なテーマと物語を追求していこうと考えています。

次の「レコニング」ではTFT史上初の試みとして、テーマと一切の結びつきを持たないマップスキンとリトルレジェンドのバリエーションをリリースする予定です。太陽の光を存分に楽しめる場所になる予定なので楽しみにしていてください。

システム変更とチャンピオン数

「ギャラクシー」ではセット前半にリロール出現率、プレイヤーダメージ、連勝ボーナスのバランス調整に尽力したにもかかわらず、ミッドセットでチャンピオンを追加したことですべてをやり直さなくてはなりませんでした。これを受け、「宿命」セットではチャンピオン数を58で固定し、ゲームの核となる部分を変更しなくても良いようにしました。

しかしこの取り組みは成功・失敗の両方が交じる結果となりました。

チャンピオン数を58体で固定してセット全体の体感リロール出現率を維持できた点は成功だったと考えていますが、これでプレイヤーダメージやリロール出現率の調整頻度を抑えられるという目算は外れました。「選ばれし者」要素のバランス調整のため、開発チームは当初の想定よりもずっと多くの変更を入れざるを得なかったのです。パッチ10.20では4コストの選ばれし者出現率を下げ、パッチ10.24では通常ユニット/選ばれし者の出現率とプレイヤーダメージを調整し、「獣たちの宴」のパッチ11.4では選ばれし者の出現率を刷新する必要に迫られました。

セットの途中でこういった大規模なシステム刷新を実施すると、それまで培ってきた知識が無駄になってしまうため、私たちとしても可能な限り避けたいと考えています。今後もゲームの健全性を保つ上で不可欠と判断すれば実施することにはなりますが、セットの途中で大規模なシステムの調整をしないこと、そしてそういった変更の必要性が低いゲーム要素を最初から設計することを目標としていきます。

ギャラクシー要素

「ギャラクシー」の振り返りでは、好評だった一部のギャラクシーをTFTの恒久的要素として組み込んでいきたいとお話ししました。本件についてはその後も議論を深め、開発チームが大筋で合意する方向性も揃っていたのですが、「宿命」の開発が進むにつれて、これ以上システムを追加するとTFTの核となるゲームプレイが損なわれてしまうことが明白になってきました。

たとえば「選ばれし者」要素とトレードセクター(毎ターン1回無料でリロール可能)。この2つを組み合わせると、チーム構築や位置取りといったTFTの面白さを支える基礎の重要性が薄れる結果になります。「選ばれし者」とギャラクシーを組み合わせると、ゲームが提示する情報の取捨選択が主役になってしまうのです。「ギャラクシー」でも教訓として挙げましたが、こういった状況は時に情報過多を引き起こします。このため、ギャラクシーを向上的要素にする取り組みは一旦保留とし、今後はセット固有要素の改良に注力することとしました。将来的に再検討することはあり得ますが、当面は新しいゲーム体験の開発に全力を注ぐことになるため、再開はしばらく先になるでしょう。

ドラフトラウンド

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「ギャラクシー」では完成アイテムのみ、ゼファーのみなどクレイジーなドラフトラウンドが多数存在しましたが、これらは楽しい一方で予測が立てづらく、戦略的判断を難しくしていました。これを受け、「宿命」では完成アイテムのみなどクレイジーなパターンを削除し(自然の力のみレア枠として維持)、予測を立てやすくしています。ドラフトラウンドでより正確な判断ができるようになったことを考えると、この点は目標を達成できたと見てよいでしょう。

完全な予測性を求めるプレイヤー(自然の力パターンや、ステージ3のへら3個&その他6個パターンの削除を希望する人など)が存在することも認識していますが、予測性の低いパターンには「強い構成を流用する」傾向が蔓延するのを防ぐリスク/不確実性としての役割があります。またこれらのパターンには、ごく稀にしか発生しない特別な展開を作り出したり、プレイヤーが打つ手なしと感じる状況が生じるのを防いだりする効果もあります。以上を踏まえ、(発生率を調整することはあり得ますが)ドラフトラウンドについては大規模な変更を実施しない予定です。

アイテムの柔軟性

「ギャラクシー」終了時、私たちは有効な完成アイテムはこれ、あるいはこのチーム構成を目指すならこのアイテムが必須、と感じられるような状況を避けたいとお話ししました。この点については若干の改善を達成できましたが(ブルーバフを持つとダメージが3倍に跳ね上がったり、ショウジンの矛を持つと5回攻撃するだけで200マナ貯まったりすることはなくなりました)、様々な点で目標を達成できませんでした。

ラピッド ファイアキャノンはゼド、アカリ、ケイルの必携アイテム、ガーディアンエンジェルはアーリ、ジリアン、オラフの定番アイテムでしたし、ルナーン ハリケーンはワーウィック、オラフ、シヴァーナに、ヘクステック ガンブレードはベイガー、オレリオン・ソル、ヌヌに欠かせないアイテムとなっていました。他にも例は多数ありますが、どのケースでも当該アイテムの有無で戦力が圧倒的(すぎるほど)に違うという点は共通しています。

ここで改めて私たちの目標を整理しておくと、特定チャンピオンにとって「最適なアイテム」が他のアイテムよりも有効であることに問題はありません。たとえば「オレリオン・ソルはラバドン デスキャップよりもジュエル ガントレットを持たせたほうが強い」状態は、その差が大きくない限り問題ありません。プレイヤーが勝利を目指して最適解を求めていく限り、最適なアイテムというのは決まってくるものです。私たちが定めた目標とは、「このチャンピオンはあのアイテムがないと使い物にならないから集める意味がない」と感じられる状態を防ぐことです。これを踏まえ、今後も特定のキーアイテムが必須化せず、かつ特定アイテム同士の組み合わせが他を圧倒しない状態を目指し、アイテムの柔軟性を高めていきます。これは簡単な目標ではありませんが、対策の第一弾はまもなくお披露目になる予定です。

利便性向上

「ギャラクシー」セットの終盤に道入したアイテムレシピ表示機能をはじめとする利便性向上機能は全体的に好評だったため、セット終了時には「宿命」でも機能追加を続けていくと約束しました。本件については「宿命」セットの期間を通じて各種UI/UXの改善を実施することができたので、約束を無事に果たせたと思います。

変更点のハイライトは以下の通りです。

  • パッチ10.20:戦闘データパネルにブロックしたダメージ量、シールド/ヒール量のタブを追加しました。
  • パッチ10.22:ショップに選ばれし者の出現率を追加しました。
  • パッチ10.25:ベンチにチャンピオンが入り切らない場合の処理を修正しました(これ以前はベンチが一杯の場合にチャンピオンを1体多く盤面に出せていた)。
  • パッチ:11.1:「他プレイヤーを確認」ホットキーで表示ボードを切り替える時に敗退したプレイヤーのボードを表示しないように変更しました。
  • パッチ11.4&11.5:ホットキーとショップの挙動を修正し、ショップが開いていない状態で意図せずユニットを購入/売却しないようにしました。

上記いずれの修正も、PC版/モバイル版を問わず、皆さんがひたすら戦術構築に没頭できるようにとUXチームが心血を注いで開発したものです。今後もより深い没入感とよりシンプルな直観的操作を実現するためのアップデートを続けていきます。新セットでは新しい要素やシステムを追加することになるのでその点も配慮していきます。

バランス調整とパッチの戦略

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最後はパッチの方針についての項目です。前回の投稿でパッチごとに1~3個の「大目標」を設定し、修正対象を目標分野のみに絞る手法を取るとお話ししました。今回のセットでも完璧なバランス状態を生み出すことはできませんでしたが、パッチごとに修正対象を絞るという方針はうまく機能し、おかげでより迅速・効果的にゲームを改善することができました。

パッチ10.24(出現率変更)とパッチ11.4(リロール構成をナーフし、それ以外のゴールド管理戦略とのバランスを取る修正)は大規模なパッチとなりましたが、明確かつ限定的な目標を示すことができ、総合的にゲームの状態を改善することができました。とはいえ、全パッチでバランス調整を正しく行えたわけではありません。たとえばパッチ10.21の大目標はルーデン エコーやスタティック シヴといった使用頻度の低いアイテムを改善することと、ディヴァインの有効性を高めるリワークすることでしたが、振り返ってみればこの変更はワーウィックという怪物を生み出すこととなってしまいました。

このようにいくつか反省点はあったものの、現在のパッチ方針は総合的には改善につながるものだと考えています。このため、今後のパッチでも修正対象を絞る現在の方針を継続し、ゲームの平均品質を底上げしていくことに注力していきます。パッチの総合的な品質は徐々に向上しているので今後も同じ方針で進めていく、とも言い換えられるでしょう。

今後の取り組み

続いては本セットから得た教訓と、その教訓を新セットでどう活かしていくかについて紹介していきます。

セット固有の要素&選ばれし者

これひとつで記事が一本書けるトピックですね…。ひとまず「選ばれし者」要素が今後長らく記憶に残り続ける要素であることと、「宿命」セットの代名詞となることは間違いのないところでしょう。よく「選ばれし者要素は成功だったか?」と質問されるのですが、私の回答を要約すると「イエス」になります。この要素は様々なメリットをもたらし、「宿命」セットに独自性を与えてくれました。もちろん完璧だったわけではなく、だからこそ選ばれし者というゲーム要素はTFTに恒常的に組み込まれることなく役目を終えるわけですが…。

それでは選ばれし者の良かった点と、改善できた点を細かく見てみましょう。まずは良かった点から。

  • TFTを当初想定していたドラフト形式のゲームに近づけた:「宿命」では大半のプレイヤーが過去のセットよりも多くの構成・プレイスタイルを試しています。これは選ばれし者を何度も入れ替えることで、新しい事を試す機会が増えたのだと推察しています。また、「宿命」で興味を持ったプレイヤーは従来よりも長期間遊び続けたというデータも出ています。
  • 選ばれし者要素がテーマにうまく合致した:選ばれし者要素と「宿命」テーマのビジュアルは非常に高い親和性を見せました。また全く新しい要素ということで、「宿命」セットのリリース時には大きな期待を集めることができました。ゲーム要素として分かりやすかったことに加え、二重にカウントされる特性が普段は実現不可能な構成を狙えるようにしていた点も良い方向に働いたようです。

続いて、改善すべき点。

  • システムを適正状態に持っていくまでの試行錯誤が長すぎた:パッチ10.24と11.4で実施したような、セット固有要素に対する大規模変更は今後のセットでは避けたいと考えています。必要に迫られれば選択の余地はありませんが、「レコニング」ではセットの途中で大規模なシステム変更を入れずに済むよう尽力していきます。
  • すべてのチャンピオンが選ばれし者として輝けるようにしたかったが叶わなかった:全チャンピオンが何らかの形で役割を見つけられたものの、「選ばれし者」としての期待に応えられないチャンピオンが存在していたことも確かです。
  • 100~200試合ほどプレイすると、過去セットよりもプレイヤーの介入余地が少なく運頼みだと感じられる:これはトップ層のプレイヤーから特に多く聞かれた声で、目当ての「選ばれし者」が引けるかどうかで勝敗を決まってしまうと感じられたようです。

セット固有要素がゲームにもたらす影響力を評価した時、今回の選ばれし者は許容範囲の上限一杯だったと考えています。「宿命」セットの目玉である選ばれし者は、間違いなくプレイ中の意思決定やプレイスタイルを大きく変えるものでした。今後も「ゲームに多様な選択肢と独自性をもたらす」というセット固有要素の開発目標は変更しませんが、ひとつ注意点を追加します。エレメントヘクス、ギャラクシー、選ばれし者はいずれもプレイヤーの介入余地が不足しているように感じられたので、今後のセット固有要素ではそこを改善し、さらにプレイヤーの選択結果がゲーム内で感じられる方法を模索していきます。「TFT:レコニング」はこの取り組みの成果を初めて出すセットとなります。

ミッドセットアップデート

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TFT史上2回目のミッドセットアップデートとなった「獣たちの宴」では、前回の「ギャラクシー:星への帰還」を超える成功を収めることができました。

うまく機能した点は以下の通りです。

  • キャリーチャンピオンがチーム構成を決める点に着目し、4コストのキャリーチャンピオンを入れ替えてミッドセット拡張独自の構成を生み出した。「ギャラクシー」ではセットの最初から最後までジンクス構成が活躍するという問題がありましたが、「宿命」ではセット後半固有の構成が多数登場しました。
  • 新たに追加した大規模特性がセットのテーマをうまく輝かせてくれた。「ギャラクシー」ではバトルキャスト特性のみで、それも扱いが難しいものでしたが、「宿命」ではインパクト抜群の特性(ドラゴンソウル、フェイブルド)やクールな特性(スレイヤー、サイフォナー)を追加できました。ワクワクする新特性が頼りになる、という点が重要だったのだと考えています。
  • 既存チャンピオンの特性を入れ替え(ダイアナ:ムーンライト→スピリット、ゼド:シェイド→スレイヤー)、それぞれの印象を刷新して新しいプレイスタイルを提示できた。特性が変更されたチャンピオンは、セット前半では不可能だった新たな戦略(モルガナのドレインタンク、キンドレッドのエクセキューショナーサポートなど)に組み込まれていきました。

今回のミッドセットアップデートでは他にもいくつかの教訓が得られたほか、大きな間違いを未然に防いだり…別の大きな間違いを犯したりしています。

  • ミッドセットの開発中に、チャンピオンを大幅に入れ替えても、セット固有要素が増えないと変化が不十分に感じられることに気付きました。パッチ単位で新ギャラクシーを追加できた「ギャラクシー」と違って「宿命」にはそういう種類のものがなかったのです。そのためチームはセット前半との差別化ができ、同時にお祭りの祝賀的な雰囲気も高められるアイデアを模索し、幸運のランタンにたどり着きました。
  • 今回多数の新チャンピオンを追加できたのは、過去セットのチャンピオンを再び登場させたためでした。「ギャラクシー」の時にはティーモやバードが新しいスキルと共に復活したので、以前と同じチャンピオンを復活させる今回の手法は一部のベテランプレイヤーにとってはワクワク感が少し減ってしまったようです。とはいえ、中にはお気に入りチャンピオンの復活を大いに喜んでくれるプレイヤーの方もいました。
  • 一部の新特性は構造上の問題を抱えていました。まずスレイヤーは近接偏重で、新しい4コストキャリーが2体存在する(オラフとトリンダメア)特性でした。オラフとトリンダメアはビルドも役割もほぼ同一だったため、終盤戦で活躍するキャリーが多様性を欠く原因となっています。またフェイブルドはとても独自性の高い特性でしたが柔軟性に欠けており、ひとつのチーム構成・プレイスタイルでしか使えないように感じられました。今後は同種の問題が発生しないよう配慮していきたいと考えています。

以上を踏まえ、「レコニング」のミッドセットアップデートではセット固有要素に何らかの変更を加え、キャリー役を入れ替えて新鮮なプレイ感を生み出し、過去セットからの流用ではない新規チャンピオンの数を増やしていきます

チャンピオンの強さとコストの関係

各チャンピオンがコストと★レベルに相応しい強さを示す、というのは今セットのバランス調整における重要課題のひとつでした。「ギャラクシー」では1コストの★3ザヤが最強キャリーとなってしまったので、同じ状態を避けようと考えていたのです。

しかしこれは大失敗に終わりました。5コストチャンピオンが他のチャンピオンよりも圧倒的に強すぎたのです。アイテムが揃ったヨネは文字通りの1v9で勝ってしまう強さを見せ、ケインの★2は一方的に凄まじいダメージを叩き出し、他の5コストチャンピオンも4コスト以下のチャンピオンよりずっと強い状態にありました。その結果、「特性を無視してひたすら5コストチャンピオンを詰め込む」のが最強の構成になりました。また、それに続く強さを示したリヴェン、アッシュ、ジン、ワーウィックなどもまた3コスト以下のチャンピオンよりも圧倒的に強力でした。こうなると「可能な限り早くレベルを上げて圧倒的に強いチャンピオンを集める」のが唯一の勝ち筋となってしまいます。今回はさらに選ばれし者が存在したためステージ4-1で4コスト★2を獲得することが可能で、そうなった場合は極端な戦力差を生み出していました。このプレイスタイルはチャレンジャー帯プレイヤーの間では好評だったものの、リロールで★3を目指す、大規模特性を揃えるといった他のプレイスタイルを取った時の勝算がほぼ消えてしまっていました。

「獣たちの宴」ではこの状況を改善するため、「強さの順位はそのままに、ティア間の戦力差を縮める」アプローチを取りました…が、率直に言って、当初の対策は勘所を大きく外していました。これは全体の流れの中で選ばれし者システムが果たしている役割を正しく理解できていなかったのが原因だと考えています。確かに4コスト★2は1コスト★3よりも強い状態でしたが、適切なアイテムを揃えて4コストを集めるのはリスクが高く、それならば序盤に入手した選ばれし者を中心に構成を整えていくほうが有効だったのです。

こちらについてはセット終盤(具体的にはパッチ11.4以降)に差し掛かる頃にはかなり改善でき、リロール構成、3コスト★3構成、4コストキャリー構成、終盤戦構成など様々なプレイスタイルが有効な選択肢となる状態を作り出せました。

以上を踏まえ、今後も様々なプレイスタイルが有効な戦略となる状態を目指し、これまでと同じフレームワークを用いてバランス調整を行っていきます。「選ばれし者」要素の引退に伴うバランス調整は不可欠ですが、これも必要最低限に押さえて実施します。TFTは勝ち筋がたくさんあってこそ楽しめるものですから、ここはしっかりと維持していきます。

フォーチュン

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セット1のパイレーツ特性は、3体を場に出すと宝箱が出現し、1~4ゴールド(あるいはブーツや魚の骨)が入手できるというものでした。パイレーツはユニット自体が弱かったこともあり強力な特性ではありませんでしたが、時には圧倒的な速さでレベルアップして試合に勝つ、といった展開を生み出してくれました。

そしてギャラクシーでは宇宙海賊。こちらは2体を場に出すとキル獲得時にゴールドを入手できるというもので、ダリウスが連続ダンクでゴールドを稼ぎ続ける…といった展開を生み出してくれました。また4体を場に出した時は素材アイテムがドロップすることもあり、ガングプランクが敵を一掃した瞬間に素材アイテムが5~6個ドロップする…といったワクワクする瞬間を作り出し、「奇跡のアイテム40個超え」といったようなタイトルのYouTube動画も登場しました。

そして「宿命」のフォーチュン特性。(3)ボーナスでゴールドやアイテムが獲得できる特性ですが、12連敗ボーナスを獲得できた時には自然の力が3個と大量のゴールドなどを獲得し、そこから前代未聞のリロール連発で一気に大逆転も狙えました。またフォーチュン(6)まで持っていければ、通常ではありえないほどのゴールドやアイテムでチームを強化し続けられました。

これらの特性には「腕前に関係なく試せて、人に見せたくなるような物語や楽しい瞬間を生み出していた」という重要な共通点があります。もちろんフォーチュンは高ランク帯のプレイヤーが最初から狙っていくものではありませんでしたが、一方ではうまく使えばトーナメントで1位を取ることも可能な特性でした。私たちは、このタイプの特性にはTFT屈指のワクワク感を作り出す力があると考えおり、今後も同種の特性アイデアを模索していきたいと考えています。大接戦、波乱の展開…どのセットにも記憶に残る一戦があると思いますが、これらの特性は自分だけの思い出やワクワク感を生み出してくれる一助になってくれると考えます。

以上、「宿命」の振り返りでした。本作をプレイし、フィードバックを寄せてくださった皆さんに改めて感謝を。今後も最高のTFTをお届けできるよう全力を尽くしていきますので「TFT:レコニング」をお楽しみに。それでは!



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