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Quick LoL Thoughts 8月28日

ゲームプレイ開発成果の評価法、クエストスキンについて、Meddlerがお話しします。

Dev作者Meddler
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皆さん、こんにちは。

免責事項

こちらの投稿では、開発中もしくは計画中の作業への言及も多くなっていますが、必ず実装されるという保証はありません。作業や目標は新しく判明したことによって変更されることがありますし、以前言及したプロジェクトが遅れたり中止されるといったこともありえます。ただ、計画が変わるとしても、できる限りのことを皆さんにシェアしていくのが大事だと信じています。本投稿の最新情報は、Twitter(※英語)で公開していきます。

自己評価方法 その1:ゲームプレイ

今回はいつもと少し違う話題、私たちが仕事の成果をどのように評価しているかについて、詳細を少しお話ししていきます。これを説明することで、私たちのアプローチを理解しやすくし、今後のお話しで状況をもっと共有できれば幸いですし、このような話に興味のある人もいるのではないかと思います。今回はMOBAのゲームプレイを主な仕事とするチームを紹介します。今後の投稿では、TFT関連や、パーソナライゼーションと外見アイテム、技術、マーケティング、プレイヤーコミュニケーションなどについても紹介していくつもりです。

担当チームごとにおおまかな紹介をしていますが、プレイヤーが接する要素に影響するチーム(たとえばゲームバランス)に絞っていて、主に社内に影響を及ぼすチーム(たとえば社内ツール開発)はあまり紹介していませんので、全ての社内構造を説明しているわけではありません。また、組織の別の部署が管理している側面についても説明していません(たとえばLoLチームとは別部署になってeスポーツや、複数のゲームに関わるプレイヤーサポートが担当しているチャット管理、など)。全ての工程ではなく、重要なポイントのみを説明しています。

まず初めに、チャンピオンチームを見ていきましょう。新チャンピオンやVGUチャンピオンに対するプレイヤーのエンゲージや、そういったチャンピオンリリースがLoLのエコシステム全体に及ぼす影響、新規/VGUチャンピオンのメンテナンス性などを見ていくのが、このチームです。以下のような基準で評価を行います。

  • チャンピオンのプレイ率、特にそのチャンピオンをメインとしているプレイヤーの平均試合数(〇〇メインに対する魅力の深さ)。プレイ人口(魅力の広さ)にも関心を寄せていますが、深さほどは気にしていません。重要なのは長期的な魅力であって、リリース直後の魅力に限りません。
    • あらゆるチャンピオンに魅力の広さと深さのどちらも持たせようとは思っていません。ニッチなチャンピオンであっても、メインにしているプレイヤーから深く愛されていればよいのです。ただ、広くも深くもないチャンピオン(プレイヤー数が少ない上に、試合数も少ない)というのは、作りたくないと思っています。
  • チャンピオンのテーマや個性、アートの品質などについてのプレイヤーアンケート
  • チャンピオンリリース後の、変更とバグ修正の頻度
  • 複雑さ、技術的リスク、開発効率などの社内評価
  • 私たちのIPの幅、新しい物語、所属地域に加えた新しい魅力、要素ごとのグループ内での表現(最近の新規チャンピオンはジェンダー比率が改善されていますが、それでもまだまだ男性チャンピオンが多いのです)に対して、そのチャンピオンが与えた変化の程度

サモナーズリフトチーム(バランスチームと呼ばれることもありますが、彼らの担当範囲はバランスのみに留まりません)では、公平で深く、人を惹きつけてやまないゲームプレイ体験を提供することに注力しています。つまり、ゲームバランス、選択の構造、カウンタープレイ、上振れと下振れの設定、プレイ体験の種類、などです。評価の中で私たちが重要視するのは以下の要素です。

  • 既存チャンピオンのチャンピオンバランス(リリース時のチャンピオンの数値には、担当のチャンピオンチームが責任を持つため、新規チャンピオンは含まれません)。
  • スノーボールする試合の割合やタワー破壊タイミング、PVP行動の頻度などのゲームスピード
  • チャンピオンに対する不満やゲームプレイ変更の頻度、チャンピオンの与ダメージと頑丈さなどについてのプレイヤーアンケート
  • LoLの5種類のポジションに対するプレイヤーの好みを含む、ゲームプレイ変更とプレイヤーエンゲージメントの相関
  • アイテムやルーンといった、サポートシステムについてのバランスと有意義な選択

次に紹介するのはゲームアナリシスチーム、別名をプレイテストチームと言います。彼らの役割はLoLに精通し、説得力のある分析を行い、コンテンツに対して繰り返しプレイテストに取り組んで実践的なフィードバックを行うことです。また、今後の新規コンテンツや仕様、調整が高い技術のプレイヤーの手にかかるとどのように使われるのかを示すことも役割となります。これらの作業については以下を評価しています。

  • 社内プレイテストと理論構築に基づいて、バランス変更の影響を予測する能力(バランス変更についてはサモナーズリフトチームが責任を持ちますが、ゲームアナリシスチームはその変更による影響を予測し、その予測に基づいて再度サモナーズリフトチームが決定を下します)
  • 新規/VGUチャンピオンのリリースバランスと、その後スキルキットに対してプレイヤーたちが慣れ親しんでいく過程での変化の予測評価
  • コンテンツやシステムの開発中に起こった問題を素早く発見し、制作チームに問題点を伝えて無駄な作業を減らす能力(たとえば開発中の新規ゲームモードの最適解が全く楽しめないプレイで、楽しく遊ぼうとするとプレイヤーが勝利できないなど)
  • 分析そのものが、このチームの総合的な価値なのです。

次は、コンペティティブ&メタシステムチームです。ランク戦のランキングや、進行システムの一部側面、プレイヤー行動とゲームプレイに関わる領域などを担当しています。このチームでの成功を判断する基準は以下です。

  • ランク戦のエンゲージメント。昨シーズンと比較した時のランク戦プレイ人口や、シーズンを通したランク戦プレイヤーのエンゲージメントの変化など Clashのエンゲージメント。
  • Clashのプレイ人口や、その後のClash再参加率。 
  • マッチメイキングの品質。1つの試合に集まったプレイヤーたちのMMR差、マッチング成立にかかった時間、第一希望のポジションが通ったプレイヤーの割合、どこでもオプションになったプレイヤーの割合など
  • プレイヤー行動のデータ調査。AFK率、他プレイヤーの悪質な行動に対して生じる不満(注:以前は別のチームが担当しており、このチームが担当になったのは最近です)など
  • ランク戦やClash、マッチメイキングなどについてのプレイヤーの感想の収集

最後に、標準ゲームモードであるサモナーズリフトとは異なるMOBA体験を担当する、特殊ゲームモードチームです。このチームが担当するのはARAMとイベント期間限定ゲームモード(URF、ワン・フォー・オール、ネクサスブリッツなど)です。この分野での作業を検証する時、以下のようなことを考慮します。

  • 他ゲームモードと比較した時のプレイ率。平均エンゲージメントと、最大エンゲージメントの両方を測ります
  • 特殊ゲームモードに対するプレイヤーの感想の収集。イベントで開放された期間限定ゲームモードが、そのイベントでプレイヤーが楽しんだ要素として重要だったかどうか(プレイヤーにとってのイベントのメイン要素として、たくさんプレイされたかどうか?)
  • 特殊ゲームモードで得られた新しいエンゲージメント(復帰したプレイヤーや、期間限定ゲームモードの開放を理由にプレイ頻度が上がったプレイヤーの数)と、プレイするゲームモードを変えて遊び続けているプレイヤー数の比較

クエストスキン

数週間後に「クエストスキン(仮名称)」という言葉を見かけるようになると思いますので、これについて少しだけお伝えしておきます。近い将来に購入可能になる、新しい種類のスキン(既存種別と価格帯が異なるスキン種別の新設ではありません)をテスト中です。クエストスキンには、前もってPBE(クローズドベータ環境)で実装とテストを必要とする新仕様が含まれています。すぐにライブサーバーに実装されるものではありませんが、今後の情報を楽しみにお待ちください!



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