チャンピオン開発エピソード:カミール、スチールシャドウ

Cactopusによる

新チャンピオンの製作を始める時は、サポートジャングラーなどの特定の役割を念頭において作業に取り掛かる場合もあれば、大地のメイジのようにシンプルなテーマから作り始めることもあります。

しかし、今回のカミールの製作はまるで異なるアイデアからスタートしました——“思いのままに戦況を動かす、強者の気分を味わえるチャンピオンを作ろう”。

巨大な刃の脚を持つ貴婦人――文字だけでも強さが伝わりますよね。カミールはコンセプトアートの時点ですでに、かなり「ヤバい」チャンピオンでした。しかし、彼女を実際にキャラクターにするには、とある疑問に答えねばなりませんでした——自分の両脚をヘクステック式の刃に置き換えてしまう人間とは、いったいどのような人物なのか?


ナイフの刃の上で


カミールについて何よりも知っておくべきことは、彼女はあなたよりも「優秀」だということです。彼女はあなたよりも賢く、裕福で、遥かに強い存在です。ゲーム内で彼女はその自慢の脚であなたを切り刻みながら、これらの事実を突きつけ、挑発します。

カミールは文化復興によって繁栄するピルトーヴァーの出身です。都市は栄華を極めており、絶大な権力を握る富裕層の家々は、その繁栄を維持したいと考えています。そこで彼らは、カミールのような「フィクサー」——有力者たちの間の力関係を維持する闇の工作員——を用いているのです。現在のバランスを維持するための鍵の一つは、隣接する都市ゾウンの台頭を阻止し、ピルトーヴァーの支配層を脅かす存在にならないようにすることです。

「ピルトーヴァーには大量の富が集まります」とAriel "Thermal Kitten" Lawrenceは言います。「大量の富が集まる場所では、人々が持つ者と持たざる者にわかれ、階層間の格差が広がります」ゾウンの科学者にはルールや規則に縛られない自由があるかもしれませんが、共存関係にある二つの都市において、実質的な富のほとんどはピルトーヴァーが手にしています。カミールはこの二つの都市の間に立つ存在であり、彼女が都市間のバランスを維持できなければ、恐ろしい結果を招くことになります——ピルトーヴァーは没落し、混沌に飲みこまれてしまうでしょう。

そのため、カミールには自らの職責を果たすためなら大きな犠牲を払ってもいいという覚悟があります。体の一部をヘクステックの武器に置き換えれば強くなれると考えた時、彼女に迷いはありませんでした。身体拡張という考え自体は、ゾウンやピルトーヴァーの人々の間ではそれほど珍しいものではありません。しかし、これらの都市の人々から見ても、カミールの身に施された身体拡張は凄まじい部類に入るに違いないものです。

実際、カミール自身も巨大な“刃の脚”という身体拡張について少し思うことがあります。「彼女がそれを誰かの前で認めることはないでしょうが、内心は少しやり過ぎたのではないかという気持ちがあります。これ以上やれば、自分は人間性を失ってしまうのではないか、と」とThermal Kittenは言います。

彼女は心の底で、自らがその肉体を「道具」へと変えたことによって、他の人々が自分のことを単なる「道具」として見るようになるのではないかと恐れています。カミールは機械と人間の狭間にある、ナイフの刃のごとき境界線上に立っているのです。しかし彼女はこう自分自身に言い聞かせます——そんなことはどうでもいい。少なくとも、私の意志がある限り。


支配力

カミールを使う場合は、自分のペースで戦闘を進めることが重要になります。彼女がダンスの相手を望んだら、逃れられる敵はどこにもいません——「フックショット」で飛び込み、敵を無理矢理1v1の世界に引き込みます。「彼女は自信満々で、あなたをもてあそんでいるのです」とチャンピオンデザイナーのJeevun "Riot Jag" Sidhuは言います。「それは彼女のQに表れています。これは『今から二秒後にもう一度お前を蹴る』と言っているようなもので、実際に彼女はそれをやってみせるのです」

カミールの「フックショット」はスキル構成の中で最初に確定したスキルでしたが、それすら完成までにいくつかのヘンテコなバージョンを経ています。ある時点では、彼女は英国製スパイダーウーマンといったような存在でした——五つのフックを連続発射して、壁の周囲をぐるりと移動することができていました。この仕様は面白かったものの、戦闘での実用性はほぼありませんでした(しかも操作に慣れるのが大変でした)。

カミールのスキル構成には、限られたタイミングに合わせるよう調整しなくてはならない重要なものがいくつか存在し、慣れるにはある程度の試合数をこなす必要があるでしょう。しかし、プレイヤーが練習を積めば、その労力に見合う見返りが必ず得られます。

「正確にコンボを繰り出せば、踊っているように見えるはずです」とRiot Jagは言います。「Qを食らわせてから後方に離れてWでなぎ払い、また飛び込んで2度目のQで攻撃します」

完璧にこなすには、さらに練習が必要なコンボも存在します。「フックショット/ウォールダイブ」コンボの最中にあらかじめWを発動して、敵にダイブすると同時に攻撃することも可能です。Riot Jagはこう言います。「これはかなりカッコいいプレイで、プレイテストチームはコンボが成功するたびに私にリプレイを送ってくるんですよ」

カミールは掃討戦でその真価を発揮します。もしカミールがいるチーム相手に劣勢になれば、あなたのチームは、あの最強シークレットエージェント映画の悪役たちのように、全員追い詰められ、倒されてしまうでしょう。彼女はお前を追い詰め、そして……あとは言わなくてもお分かりですよね。


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カミールの初期コンセプトには、映画やテレビゲームによく出てくる「サイボーグアサシン」キャラクターの影響が多く見られます。「彼女はジェームズ・ボンド風の工作員です」とコンセプト・アーティストのHing "Hdot" Chuiは言います。「それと同時に、彼女は優雅な貴婦人でもあるんです」

彼女の個性を上手く捉えて伝えるために、初めの頃は様々なニックネームを考えていました——“レディ・エム”、“グレイ・レディ”、“ピルトーヴァーの左手”、または単に“ダイバー”など。 “MI6のサイボーグ・メリー・ポピンズ”なんていうものもありました。

カミールのビジュアルデザインでもっとも難しかったのは、ヘクステックコア(脚の動力)により老化が遅くなっているものの、不老ではないという設定の表現でした。実は彼女は80歳くらいなんですが、それよりも遥かに若く見えます。不老不死ではありませんが、見た目よりも遥かに歳をとっているのです。

カミールが美しい見た目を保っている理由は、毎晩入念に肌のお手入れをしているからではありません——彼女の胸に埋め込まれたヘクステックコアがその理由です。強い腰だけでは脚の刃を動かすことはかなわず、つまり、カミールの職務への熱意は彼女の身体のあらゆる部分に及んでいるということなのです。彼女の瞳もまた、その非人間的な力の源を示すかのように光っています。



カミールは現在PBEで敵を切り倒して回っています。周囲に目を光らせておきましょう!


11 months ago