コミュニティ・スポットライト:社会人向けリーグ・LNS

Akaderaによる

社会人が夜な夜な集ってリーグ戦を繰り広げるサイトがある。
LNS-League of Legends Nippon-no Salaryman( http://lns-lol.com/ )、である。その名の通りサラリーマンが中心となって2016年に設立されたリーグで、現在3期目。2期目の実績で600名を集めたという盛況ぶりだ。

今回はその中心人物であるのりじろ氏に、設立のきっかけなどを伺った。

プロフィール

のりじろ氏
LNS代表。普段はシステムエンジニアとして会社に勤めている。

Twitter: 公式LNSアカウント (@LNSofficial_lol
YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/channel/UCSvupVbQM7W07jlueSwC9cQ
イラストレイター: ヒラガナ (@hiragana_01)


社会人が遊べる場を探して

――まず、LNSという団体の説明からお願いします。

のりじろ:本当にシンプルです。社会人がLoLを遊べる場所がなくて「遊ぶ場所が欲しい」って考えたんです。そこで僕たちが遊べる場所を作ろうって言って始めたのがLNSです。みんなで社会人を盛り上げていこうと。それまではアマチュアを対象にしたものはなかったので、ランクを気にせず、気軽に参加できるようなリーグがあればいいなって。

――エンジョイ勢が遊べるような……?

のりじろ:そうですね、エンジョイ勢ってやつです。

――人を集めるには集まる場所と、集める手段が必要だと思うんですけど。

のりじろ:もともと『LoL』はNAサーバーのころから、自分で動画配信をメインに活動していたんです。どちらかというとカジュアルな感じの配信でシンジドで若干変な遊び方をやったりとか、ブロンズ5人対ダイヤとか、そういう配信をコツコツやっていました。その時に知り合った配信者、実況者、あとは動画投稿者に声をかけたら、10人ぐらい集まってくれたんです。その人たちは本当に『LoL』が好きで。互いに信用できる人が集まってくれたから、上手く立ち上がったっていうのが最初ですね。

――集まった人たちでまず何をやったんでしょう?

のりじろ:まずはシンプルに「オンラインリーグを作ろう」と。何で僕たちが『LoL』で遊びにくくなっちゃったんだろうって話し合ったんです。そうしたら、そもそもオンラインゲームってプレイヤー間の距離が離れてる。でも、世の中にあるイベントって大体オフラインで、そこに行かないと参加できない。これ、結構難易度が高いよねって話になりました。そこから自然とオンラインで気軽に集まれる場所を作ろうという形になりました。その上で、自由な時間にマッチングできるようにしたりとか、そんな色んなものを、どんどん話し合って一個一個やれることからやっていったんです。完全なリーグ制も一時期考えたんですけど、あくまで趣味の延長線上だし、まして人によっては土日に仕事があって参加できなかったり、残業があったりして、勝率とかに響いてしまうと考えたのでボツにしました。その結果今のLNSリーグのシステムに辿り着きました。

――現在のLNSリーグのマッチングシステムは、なかなか合理的だと思いますが、最初からこういう形で動いていたんでしょうか。

のりじろ:現在のシステムでは、まずチームをランクで振り分けて、チームの代表が対戦可能な時間を表明して、ここにほかのチームが応募するという形を取っています。レートが平社員、室長、係長……と分かれていて、これに申し込む形なんですが、最初はもっと原始的でした。まず土日のシフト表みたいなのを提出してあらかじめ決まった日時で戦ってもらっていたのですが、このシステムだと、土日以外に遊ぶ人が参加できない。土日に仕事入った人もできない。毎週やれない人も居るよね、と。じゃあもっと柔軟にできる方法あるんじゃないって言って、そこでまた改善したんですよ。

――1回目は結構アナログな感じだったんですね。

のりじろ:2期目から、現在のマッチングシステムに近いものにしました。これは上手く行ったと思ったのですが、シーズン終了後の参加者アンケートを見ると、マッチングシステムがうまくいかず一方的な試合が多くて、参加者が不満を持っていることがわかりました。新規参加チームを皆同じブロックに入れてしまったことが原因でした。なので今期から、レートを考慮し、各チームのスタートブロックを自動調整するシステムに変えました。一期一期シーズンごとにテコ入れなり、変えるところは変えて、いいところは残してきました。

▲LNSにはチーム同士のマッチングシステムが存在する。たとえば「週末に試合をしたい」と思ったチームが日時と相手のランクを指定して募集をかけて、条件にあったチームが申し込む仕組みだ。


LNSをはじめてよかったこと

――実際に運営してみて、よかったことと、悪かったことをお聞かせください。

のりじろ:よかったことは、最初、社会人の遊ぶ場所がなかったわけですが、それが今では仕事から帰ったあと、普通にチーム戦で戦えるようになったことです。当初の目標であった、僕たちの遊び場を作る、社会人のコミュニティを活性化させる。それができたのがいいところです。逆に悪いところは……趣味の時間を削ってやってるので、まあ、想像していた以上に忙しくなってしまっています。

――(笑)お忙しいと。最初の運営の10人が集まってから、ほかの参加者の皆さんってどうやって集まってきたんです?

のりじろ:SNSと口コミですね。Twitterにアカウントを作って、定期的に「こんなリーグありますよ」とは言ってたんですけど。やっぱ一番大きいのは口コミによるユーザーの繋がりですよね。

――先ほどのお話では配信者、実況者を中心に初期メンバーが集まったと聞きましたが、LNSの配信ってどうやってるんですか? 実況が入ってますけど、それってそれぞれのお家でやってる感じなんですか?

のりじろ:そうです。元々、LNS内に配信メンバーがいまして、その人たちも同じ志の元で入ってくれた人で。

――実況をやってた人たちのノウハウを活かしているんですね。

のりじろ:ある人は普通に趣味でやりたい人もいれば、実績を積んで将来そういう大舞台に立ちたいという人もいます。共通してるのは、一緒に社会人コミュニティを発展させたい。盛り上げていきたいって人たち。僕らは彼らのことを「配信部」って言ってます。その配信部の方に、ノウハウを積みたいって人、キャスター志望者ってすごくいるんですよね。Eyesさん、Revolさんみたいになりたい。LNSではちゃんとした試合をチームとチームでやってるんで、そこで実況の練習もできるんです。そこですっごい面白い実況、解説ができれば、それを見た企業の人からオファーが来るとか、そういった登竜門的な環境になれたら理想的ですね。

―それも「場の提供」のひとつですよね。

のりじろ:そういったところでも、コミュニティの発展に貢献できていれば幸いです。


トラブルを防ぐために、先回りして仕組みを作る

――コミュニティ運営をしばらくしていると、トラブルも出てくると思います。まだそういうのは出てきてないんですか?

のりじろ:今のところ出てないんですけど。これにはちゃんと理由があって、運営側で事前にトラブルになりそうなことを話し合って、事前に対応するようにしています。大体トラブルってルールをちゃんと決めれば、起きない事が多いんです。仕組みを作っちゃう。たとえば、エモート……ゲーム中にピコピコ連打する方もいるじゃないですか。これはLNSでは推奨していなくて。

――煽りなしってことですね。

のりじろ:そうです。そういうエモートの使い方で、気分を害すことも考えられたので、あらかじめ。社会人らしく、相手に配慮してやっていこうと。

――今ってプレイヤー数って何人ぐらいいらっしゃるんです? 100人ぐらい?

のりじろ:第3期は始まったばかりなので、まだ確定はできないんですけど、第2期の終了時ですと、チーム数が75、参加者600人でしたね。

――600人もいると、多分大変な人も混ざってくると思います。

のりじろ:そうですね。そこはでもほんと、ユーザーに救われたなって感じはあります。多分……僕たちのコンセプトが良かったって言い方では語弊があるんですけど、参加者みんなが当事者意識を持ってくれてるんですよ。運営が作ってみんなが来るんじゃなくて、「お客様はいないです、みんなで作ってこそのLNSリーグです」って言い続けて運営してるんですよね。


運営は全員ボランティア!

――今のところボランティアでやってるんですね。

のりじろ:はい、運営メンバー全員が報酬なしでやっています。ただ、ボランティアという意識はなくて、クリエイターも運営も実況者も、みんなLNSに関わることが面白いと思って自発的にやっている感じですね。各メンバーが趣味の範囲で、思い思いに参加しています。逆に言えば、そこでお金を求めるのであれば、一緒にやれないよねっていうスタイル。これから先、例えばオフラインイベントをやりたいから、と、オンラインリーグでお金を取ってしまうと、今までのLNS、非営利、コミュニティのためってやってきたのが全部崩れちゃうと思っています。

――スタッフは全国にいらっしゃる?

のりじろ:はい。四国にもいます。

――一番遠くて四国?

のりじろ:北海道もいます。一回スタッフで集まりたいんですけど(笑)

――それは夢広がりますね。会った事ないわけですよね。

のりじろ:なんか、格好良いですよね。顔は合わせずとも……。リソースと収支を考えるとそんなんできないだろ、と思うんですが、そこは寝る時間を削って対応しています。

――基本的な話なんですけど、今おいくつなんですか?

のりじろ:今24ですね。

――それは……いけますね!(笑)

のりじろ:若さで攻めてます。

▲2017年10月14日、大塚にあるスタジオスカイで開催されたオフラインイベントで、LNS主催の東西対抗戦「LNS×AOC Cup LoLヶ原」。


野望は「いつか世界のサラリーマンと戦う」こと

――LNSの今後はどうなりますか。

のりじろ:『LoL』ってチーム戦で遊ぶと個人で遊ぶより数倍面白いので、一度チーム戦をみなさんに体験して欲しいです。そしてチーム戦ってこんな楽しいんだって、知ってほしいですね。それから、団体とは別に、僕個人の野望がありまして。LNSって、League of Legends Nippon-no Salarymanの略なんですけど、この「N」を「W」、「Worlds」にしたい。世界でLNSをやって、今日は韓国の最強社会人と戦うぞって。

――ニッポンどころじゃなくなってきました。それは大きな目標です。いつか世界のサラリーマンと戦う、「リーグオブ世界のサラリーマン」です。

のりじろ:これは団体じゃなくて僕個人の希望なんで……。ワールド対応にするためには、まず日本での稼働を安定させます。システムなので言語を変えるだけで動くので、そこをローカライズして広めたい。

――システムの話ですね、さすがエンジニア。

のりじろ:具体的な海外へのとっかかりとしては、まず始めるのは企業対抗戦だとか、『LoL』コミュニティ同士の対抗戦ですね。

――将来、実際に海外とやると、時差も大変そうです。トルコとかとやりだすと、夜中の3時に集合みたいな(笑)

のりじろ:日本のローカルの壁は越えられたので、いつかその時差も越えて、次の壁は世界ということで。でも、今の内は楽しんでやってます。単純に自分もシーズン2からやってるぐらい『LoL』好きなんで。でも本当に、みんなで握手して動けるコミュニティになれるといいですね。

――ありがとうございました。




組織を運営するということは、つまり、時間などのリソースを消費してしまうことだが、のりじろ氏をはじめ、LNSのメンバーは現在のところ有志たちで活動を続けている。

プレイヤーとしての参加はもちろん、サラリーマンでなくても(学生も在籍しているそうです)、彼らの活動に興味を持ったならば、LNSのウェブサイト(http://lns-lol.com/index.html)に気軽にアクセスしてみてほしい。
最終的には「ニッポンのサラリーマン」の枠を越え、より多くのプレイヤーが楽しめる世界が到来しますように!


1 year ago


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