2019年における「チャンピオンの弱点」について

※この記事は2019年2月6日(太平洋標準時)にNAボードに投稿されたポストの翻訳です。


皆さん、こんにちは!リード ゲームプレイデザイナーのRiotScruffyです。2018年にライアットのデザイン部門とコミュニティの両方で議論の的となった、“弱点がない”チャンピオンあるいは“長所が多すぎる”チャンピオンについて少しお話ししたいと思います。まず第一の論点は、“弱点がない”とは具体的にどういう状態を意味しているのかということです。これについては、多くのプレイヤーが異なる解釈をしているため、私たちがこの問題をどのように定義し、今後それを確実に防いでいくためにどのような手段を考えているのかを明確にしておこうと思います。


不十分な弱点の定義 -> 適切なプレイをすれば、明確なデメリットなしに相手の攻撃手段、あるいは防御手段を実質的に無効化することが可能な状態


ここ数年、多くのチャンピオンがこの一線を越えており(ルブラン、ブラッドミア、アジールなど)、最近でもいくつかの例が見られます(イレリア、エイトロックス、アカリなど)。


議論の一環として、「弱点がなくなる原因のパターン」を分類したところ、あまりに多くの長所を持ち過ぎた場合にこの問題が発生する傾向があることがわかりました。各チャンピオンは一、二種類の強力な長所を持っていてしかるべきですが、この数を大幅に超えると、結果として弱点がほとんどなくなってしまうのです。以下にその例を示します。

  • 強力な防御手段(大量のシールド、無敵、対象指定不可)
  • ダウンタイムが短く、隙がほとんどない(低クールダウン、高い影響力を維持しつつ後出しできるように温存しておけるスキル、発動回数をストック可能なスキル)
  • 詠唱時間が短い、あるいは詠唱時間が無いスキルを多く持っている
  • 非常に強力なウェーブクリア能力またはウェーブコントロール能力
  • 弱点をカバーする能力が強すぎる(例:“レーン戦に弱い”チャンピオンが、離れた場所から安全にファームするための手段を持っている)
  • 詠唱時間や対象制限がない移動手段
  • 壁を通り抜けるスキル
  • 非常に高速なダッシュ
  • 射程によるアドバンテージ
  • 序盤にカウンターとなるマッチアップがない(相性の悪い相手がいない)
  • カウンターを防ぐために柔軟な選択肢が用意されている(プロシーンにおいて特に問題)

今後新たに追加するすべてのチャンピオンやVGUにおいては、以下の目標を設けます。
そのチャンピオンが弱点を晒す明確なタイミングがあること。また、相当数のチャンピオン(およそ20以上)や一般的なメカニクス(強力な行動妨害など)に対して弱点を持つこと。
以下はうまく機能している例です。

  • ダリウスは近接攻撃の範囲内ではかなりの破壊力を持つものの、ほとんどの遠隔チャンピオンがカイトできる
  • ブリッツクランクは「ロケットグラブ」の神業のみで勝利を得ることができるが、ポークに非常に弱く、クールダウンも長い
  • ケインは臨機応変なアサシンタイプのチャンピオンだが、相手に予兆が見えるため、機動性はあっても常に有利な立ち回りができるとは限らない
  • ジンはスキルの射程や行動妨害において平均的なマークスマンをはるかに上回っているように見えるが、機動力に優れた敵の広範囲攻撃に非常に弱い

私たちはこの新たな目標を今後の開発の核に据えるつもりですが、すべてが意図したとおりに正確に機能するわけではありません。そこで、将来的にこの種の問題が発生した場合もより適切に対処できるよう、いくつかプロセスを追加しました。

  1. 新チャンピオンの追加や大型アップデートから6週間ほど経過したら、そのチャンピオンの状態について評価する時間を新たに設け、そこで今回のような問題やその他の問題が明らかになった場合には、メカニクスの調整(バランス調整のみではなく)を行います。その後も問題が解決されない場合は、より大きな変更を加えることになります。
  2. 問題の兆候(MMRが高くなるにつれて勝率が劇的に上昇する、ソロキューでの勝率が非常に低いのにプロシーンでのピック率が高い、カウンターマッチアップがない)を見つけたら、全体的な強さを抑えるのではなく、まずは弱点を拡げるような調整を行うことで問題の解消を図ります。

少し前に、弱点を持たないチャンピオン対して修正を行いましたが、いささかやり過ぎてしまった感がありました(現在は既に修正済みのものばかりです)。メカニクスの変更は若干の混乱を招くことがあるため、短期的にはバランスを欠くことになるかもしれませんが、代わりにステータスや数値を調整することでバランスを取り戻します。私たちが達成しようとしていたことは次の通りです。

  • アカリ - ステルスに入る時間を遅くすることで、アカリに反応するための猶予を対戦相手に与え、レーンでのポーク耐性を下げつつタワー下にいる対戦相手にとって安全なエリアを広げる
  • イレリア - 高い機動力と攻撃性能は維持しつつ、魔法ダメージに対する脆弱性を高め、集団戦での万能さを削る
  • オーン - 低クールダウンのシールドによる防御によって、あまりにも安全かつ確実にレーン戦とギャンクを生き残れていた問題を解消する
  • エイトロックス - 高いサステイン性能により常に十分な体力を維持することができ、ダッシュを2回分チャージできることにより逃走用にチャージ1回分を残しつつ、頻繁にQを必中させることが可能だった問題を解消する

これまでのところ、汎用性を若干取り除いたり、直接的なステータス調整を行ったりすることに関しては、こちらが意図した通りに実現できています。ただし、もちろんすべてのフラストレーションが解消されたわけではなく、これらのチャンピオンに対する明確な突破口ができたというだけです。

  • ゼド - 以前は対戦相手に反応する機会をほとんど与えていなかったが、Rの再発動時のディレイを設け、かつ影の速度を低下させたことにより、極めて楽しいプレイ体験は損なうことなく、これまでよりはるかにバランスの取れたチャンピオンになった
  • カサディン - Qのサイレンス効果を削除してレーン戦での弱さを維持したことにより、終盤における強さの伸びとのバランスをより良く保てるようになった

2018年に達成できた仕事には自信を持っていますが、今年はすべてのチャンピオンがそれぞれ明確な弱点を持つように一貫しつつ、ワクワクするような新チャンピオンやチャンピオンアップデートをお届けしていくつもりです。


Scruffy


2 months ago


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