/dev:プレゲームシステムの意義

Fearlessによる

皆さん、こんにちは!

リーグ・オブ・レジェンドのプレゲーム(試合前)におけるプレイヤーの選択について、私、Fearlessがお話しします。これは中身の濃いテーマであり、今回の投稿の狙いは、今後さらに深い議論ができるように、私たちの基本的なデザイン理論を皆さんに理解していただくことです。それではさっそく始めましょう。

現在、リーグ・オブ・レジェンドでは試合開始前に、プレイするチャンピオンや使用するルーン、キーストーンマスタリーなどの様々な選択を行う必要があります。これらはプレイヤーに戦略的な思考を促し、結果的に試合へのアプローチやチーム間のシナジー効果、さらに対戦相手への対応策などを練ることも可能にしています。誰もが異なるアプローチを取れるよう、私たちはこれらの要素に十分なパワー(影響力)を与えていますが、その一方で、試合の勝敗が単なる「数値最適化の頭脳テスト」やネットで効率的なビルドを探し出す能力の競い合いになってしまわないよう、与えるパワーを制限してもいます。

そしてこれを実現するために、プレゲームシステムには多くの制約が必要になります。私たちはプレゲームシステムから得られるパワーを、ほぼ“自己完結型かつ発展不可”になるようにしています。分かりやすく言うと、試合前の選択は試合序盤に主眼を置いたものになっていて、さらに言うと、「試合前に行う他の選択」とのみ相互作用するようにデザインされています。これにより、試合前にプレイヤーが下す判断は、数の限られたメリット/デメリットのはっきりした選択肢の中から選ぶことになります。結果として、試合中に行う選択をすべて事前に決めるようプレイヤーに要求することなく、他のシステムに見られるような深みを実現することができるのです。

ただし、制約は他にも存在します。プレゲームシステムでは、チャンピオンやスキンの選択、そして可能であればチームの戦術を事前に相談しておくことなど、限られた時間内で様々なことを行わなくてはなりません。理想的なプレゲームシステムであれば、もっと数が少なくより強力な選択肢を提供することで、プレイヤーが特定の行動を優先できるようにしつつ、その一方で「プレイヤーを混乱させてしまう、多数の状況的な最適解」が出現することを防ぐでしょう。得られるメリットが少なかったり、多くの選択肢に対して“正しい”答えが存在するなら、選択すること自体に意味がなくなります。残念ながら、現在のルーンシステムはこれに当てはまります。

これらをすべて念頭に置きながら、LoLの現在のプレゲームシステム(特にルーンとマスタリー)を振り返り、上手く機能しているもの、改善すべきもの、そして将来の可能性について議論していきます。


サモナースペルについて

この記事ではサモナースペルについては触れませんが、その理由をお話ししておきます。まずサモナースペルはルーンと同様に、提供している選択肢が乏しいことは明らかです。ジャングラーがスマイトを選ばない理由はありません。フラッシュは強力過ぎて、ほぼすべてのチャンピオンがそれを使用することを前提としています。

ただし、ルーンとは対照的に、サモナースペルは試合においてプレイヤースキルと状況に応じた判断力を問うものになっています。物理防御 +9はどうやっても物理防御 +9にしかなりませんが、フラッシュをいつどうやって使うのかや、スマイトのチャージ時間を考慮したジャングルルートの選択、オブジェクトへのプレッシャーのかけ方などは、腕の見せどころになります。サモナースペルに改善の余地があるのは(そしていつか改善するのは)間違いありませんが、現時点で修正すべき問題がより多く存在するのはプレゲームシステムの他の部分です。

プレゲームシステムのペース配分

私たちは、プレゲームシステムが影響を与える時間帯を明確にする必要があると考えています。別の言い方をすれば、試合前に行う選択は、チャンピオンのスキルがまだ揃わない序盤における戦術や戦略の可能性を増やすものであるべきなのです。そしてこのパワーは、プレイヤーがチャンピオン固有の成長要素やアイテム選択、スキル選択、操作技術に集中できるよう、こういった他のパワーが台頭してくるなかで徐々にフェードアウトさせる必要があります。

要約:プレゲームシステムには十分なパワー(影響力)や意義があるべきですが、チャンピオンの個性や相手に応じたアイテム選択、操作技術を上回るパワーを持つべきではありません。


意味のある選択

試合前の選択には、どのチャンピオンに対しても意味のある選択肢が用意されているべきです。しかし、現状のマスタリーでは、満足できるような選択肢が用意されていないチャンピオンが数多く存在し、まったく選択肢がないと思えるチャンピオンすら何体か存在しています。3つの系統が存在することと、そのパワーを30点のマスタリーポイントそれぞれに分散しなくてはならないという制約が、マスタリーの可能性を狭めているのは明白です――私たちはこの制約を取り去り、より良い、魅力的なシステムを作り出すことができると考えています。

例えば、その恩恵は誰もが平等に受けられるものではないという問題はあるものの、キーストーンは可能性を秘めています。「嵐乗りの勇躍」でナサスやカ=ジックスが直接的なダメージよりも敵に食らいつく能力を優先させた時、プレゲームシステムはLoLにおいて意義のある、「異なるアプローチ」を生み出す可能性を我々に見せてくれます。しかし、特定のキーストーンを使用するのが当たり前(マルザハールと「死神の残り火」といった組み合わせなど)になってしまうと、この可能性は失われます。確実に“正しい”選択や“間違った”選択が存在するなら、試合前の判断によって真の意味で試合に影響を与えることはできません。

今後のプレゲームシステムは、各プレイヤーが複数の重要な選択――すなわち試合にどう影響していくのかが明確に見通せることを目的にデザインしていかなくてはなりません。それはプレイヤーの戦術的なスキルを示すことを可能にし、さらにその選択によって生み出されたゲームプレイ上の選択肢、そしてそれを正しく遂行するためのスキルを問うものであるべきです。

自分の行動を詳細に分析して、自分が下した判断を見つめ直し、修正を加えて、もう一度同じことを一から繰り返す。こうした素早い、明確なポジティブフィードバックループを作り出せるようにすることが目標です。


ルーンの問題点

現在のところ、ルーンはこのような狙いを実現できていません。ルーンには大した理解力を必要とせず、その影響力も明確には把握しづらいために、ほとんどのプレイヤーにとって満足感を得られるものにはなっていないのです。また、ルーンにはプレイヤースキルが反映されません。例えば、物理防御 +9や移動速度 +4.5%による差を腕前でカバーすることは難しく、さらにゲームプレイ中の個々の瞬間、あるいは数百試合をまたいだ成績において、それらの選択が与える影響を精査するのは容易ではありません。これはほとんどのプレイヤーが知らないことですが、ルーンは試合序盤のパワーのほとんどを占めるものでもあります。ルーンに良い側面がないとは言いませんが、改善の余地は非常に大きいと考えています。

ルーンとは対照的に、キーストーンマスタリーはパワーが有効な瞬間や、効果の表現が明確なシステムです。これにより、プレイヤーが自身の選択の根拠を実感しやすくなっているだけでなく、ゲームそのものが戦術的に多様な、状況に応じたアクションを行うものへと変化していきます。私たちはプレゲームシステム全体でこのような方向性を実現したいと考えています。

要約:LoLの他の部分で見られる優れた要素と同じくらい優れたプレゲームシステムを作りたいと考えています。


今後について

ここで話したことの大半は、私たちがプレゲームシステムにおいて成し遂げたいと考えているものと、現在抱えている問題についての方針説明に過ぎません。じゃあ、次は?私たちはルーンとマスタリーに注目しており、自分の判断が与える影響力を実感できて、何よりも自分自身で判断を行っているんだと感じることできる新たなシステムを構築したいと考えています。

それまでの間、皆さんの考えを聞かせてください。新たなプレゲームシステムにどのような機能が欲しいですか?現在のルーンとマスタリーについてはどう思っていますか?プレゲームシステムの再構築は大規模なプロジェクトであり、長い時間がかかるでしょうが、しっかりとした形で完成させたいと思っています。


2 years ago

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