ゲームペーシングについて

FearlessとRiot Boom Bearです!今回は「ゲームペーシング」についての我々の考えと、今何をしているのかについてお話ししたいと思います。

 

注意: 少々長い記事です。来年にはもう少しマシなフォーマットでの記事を用意できると思いますが、この件は後回しにするよりは今すぐお話ししたいと思います。

 

プレシーズンでの変更の主な目的は、チームの勝利のために何をするべきであるか、明確で妥当な考えを持ちやすくすることにありました。長い間、感覚的にわかりにくく、どちらのチームにとってもエキサイティングではない「兵糧攻め」が、勝利のために最も有効な戦略となる場合がありました。そこで兵糧攻めが起こる割合を引き下げ、よりインタラクティブな勝利への道を推奨するための我々の努力が始まったのです。

 

兵糧攻めにはプレイのレベルに応じて様々なパターンがありますが、共通して言えることは、試合の進行が長く膠着することです。両チームとも、意味のある行動を事実上行わなくなります。勝っている側のチームはゴールドや経験値を稼ぎ、安全にドラゴンやタワーといった戦略目標を確保し、リスクのあるチームファイトからは徹底して逃げ回ります。一方負けている側のチームは、何をすればいいのか、どうすれば反撃できるのかがわからないために、ゆっくりと飢え死にするのを待つしかありませんでした。我々はこういった状況をなんとかしたいとずっと考えてはいましたが、最近になるまで、それが及ぼす影響を理解した上で正しい変更を行えるかどうか、自信を持てずにいたのです。

 

では、考察を開始しましょう!

 

過去2年以上もの間、研究者、アナリスト、データサイエンティストのグループがゲームペーシング、あるいはゲームの全体的な流れとその感覚について、より良く理解するための研究を続けてきました。ゲームペーシングとは、単に試合が終わるまでの時間の長さを意味するものではありません。レーン戦、中盤戦、終盤戦へと変遷していく試合の進行のことを指す言葉として定義しています。

 

ゲームサーバーのデータに始まり、プレイヤーがどのように感じているかを理解するためのアンケートの回答に至るまで、我々は様々な視点と複数の手段によりゲームペーシングを考察しています。考察にはどちらの視点も重要です。ペースが良いと感じられても15分以下で投げ出されてしまった試合も、逆転に次ぐ逆転が展開されたにもかかわらずプレイヤーがまったく接戦であるように感じなかったシーソーゲームも、等しく問題を抱えています。

 

ゲーム内データの側において、我々はまず理想的なペーシングについての考察から始めました。試合の舞台はサモナーズリフトとしましょう。どこかの時点で、どちらかのチームが何らかの点(ゴールド、経験値、CSなど)で優位に立っています。このリードの大きさと試合の経過時間によって、優位のチームが勝利する期待値は大きく異なります。10分の時点で5,500ゴールド分リードしているチームは20分の時点でほぼ勝利が確実でしょうが、45分の時点で500ゴールド分しかリードしていないチームであれば、50分の時点でも勝利をかけたデッドヒートを繰り広げていることでしょう。

 

我々はペーシングへのアプローチを行うにあたり、どの時点で勝利を確信できるかという点で試合を分類することにしました。早期に勝敗が決した試合は「雪だるま式」または「圧勝」、一方終盤までもつれ込んだ試合は「長期戦」とします。その中間の、進行に伴い徐々に予想が確かなものになっていく試合を「標準」とします。試合をそれぞれのカテゴリーに分類した結果、いずれかのカテゴリーの割合が大きすぎることがあれば、それがやるべきことの方針を決めるためのカギとなります。ここで重要な点は、「標準」の試合だけになることは理想的な状態ではなく、意図されてもいないということです。序盤で大きな優位を得られたチームは早々に勝利を確定できるべきであり、時間ぎりぎりまで戦うことでしか結果はわからないという試合も、ある程度はあった方が面白いのです。

 

リーグのゲームペーシングの現状を理解する(そして変動させる)ためにこれらのツールを使い始めるとともに、我々は兵糧攻めを抑制する施策を開始しました。具体的には、優勢な側がその優位を維持するためには努力し続けることが必要になるようにしようとしたのです。この方針に従い、例えばミニオンの群れがほんのわずかに負けている側をプッシュするように修正しました。それにより、優勢なチームにはタワーを破壊し勝利へと近づくチャンスが増えます。一方劣勢なチームはより多くの敵ミニオンと戦うことができることになり、優位なチームがもたついていると徐々に五分五分に近づけるようになったのです。この修正を土台として、獲得ゴールド、タワーの頑丈さ、そしてもちろんデスタイマーを調整して補足することにより、ゲームペーシングの改善のための大きな第一歩を踏み出したのです。

 

2016年プレシーズン最初のパッチとなった5.22の実装時、ゲームペーシング(および試合時間)の監視は最優先事項の一つでした。5.22において、試合時間は平均で1.5分短くなっていました。これは必ずしも悪い結果ではありません。しかしペーシングに関して見ると、少々予想外の結果になっていました。5.21と比較して、「圧勝」の試合が増えていたのです。端的に言うと、試合は以前よりも早く勝敗が決するようになり、試合終了まで単に消化されるだけの時間が増えたのです。さらに調査した結果、XPと(それに比べて影響は少ないものの)ゴールドの両方が雪だるま式に増え過ぎたことが原因だと判明しました。ゲームペーシングのフレームワークにより不都合が発見され、原因の究明ができたのです。キルによるXP報酬を調整するとともに、上記のミニオンの変更を実装しました。圧勝状態を加速させる(それにより、試合終了までの無駄な消化時間を短縮する)と同時に、劣勢のチームにゴールドを稼ぐチャンスを与えるためでした。

 

5.23のデータを確認した結果は大いに満足のいくものでした。「圧勝」の試合は全体的に減り、その分「標準」と「長期戦」が増えていたのです。最も「理想的」な分布については現在も考察中ですが、理想に近づいているのは間違いありませんでした。5.23においては「圧勝」「長期戦」が少なく、ゲームタイムの多くが消化時間ではなく有意義なものでした。なかなかの結果です。

 

この調整作業は現在も続いていますが、我々が今何をしているのか、ここに辿りつくまでに何をしてきたのかを、ぜひ皆さんにも知っていただきたかったのです。お読みいただきありがとうございました!

 

Riot Boom Bear + Fearless


3 years ago


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