ポンコツライター、内省する。

エラキスによる

Corn選手のグレイブスとHikari選手のルシアンに大興奮だったSummer Split Round 3。せめぎ合いや逆転劇というのは、なぜにこうも我々の胸をかき乱し熱狂させ、感動させるのか。まったくもって不可解である。そして魅力的だ。

いつだか記したように、スポーツ観戦にはほとんど縁のなかった私である。野球のWBCやサッカーW杯などは、ニュースになっていれば応援するといった程度だ。それがどうだろう。毎週のように水、金、土の午後はソワソワし始め、18時までになんとかその日の仕事を片付けて、時間になったら(仕事が残っていても)そそくさとTwitchを開くようになった。天気の良い土曜日など、暑さのおさまった夕暮れ時、缶チューハイ片手に窓を開け、涼しい風を入れながらLJL……。祖父母がそうやって野球を観ていたのを思い出す。
サッカーを観戦するにはサッカーの知識が必要だし、プロ野球の贔屓チームがあって野球のルールを知らない者はいないだろう。LoLというゲームに触れ自分なりにこんな風なプレイがしたいという理想が生まれ、こけつまろびつしながらも楽しむようになると、プロのプレイが「一体何をしているのか」、「どうすごいのか」解るようになってきた。それは大きな発見だった。

このテキストを読んでいる諸君は漫画や小説を読むだろうか。読むとしたら、きっと好きな絵柄やストーリー運び、文体などあると思う。私にも、好きだなぁと感じる文体や表現があり、自分が文章を書く際の癖というものがある。好きなものを見つけるためにはたくさんの読書が必要だったし、これが自分の個性だ! と看板に掲げるためには、癖が長所として読み手に伝わる必要があった。同じように対戦ゲームのプレイヤーにも個性的なスタイルがあった。それを個性と称するためには強さが前提として必要不可欠なのだ。

個性……欲しいなぁ……いや。まず、もうちょっとましなプレイをしたい。切実に。

LJLを観戦しながら毎日少しずつプレイを重ねるが、生来の怖がりのせいかそもそものセンスが足りないのか、相変わらず私はポンコツプレイを続けている。スーパープレイヤーの技巧が光るシーンをパッチワークした動画などを食い入るように見て、同じようにやってみようとそそくさとカスタム→ノーマルの順に出かけてはみるが、当然のことながらそうそう同じようにはできない。

あらゆる高度な技巧は日々の鍛錬の賜物なのだ。LoLならば、成功につけ失敗につけ、自分の一瞬前のプレイを見直し、次の時にはそれを同じようにもしくはまったく違うようにしてみるという、深い考察と瞬間的な判断力が必要となる。
それを反復して強くなっていったひと達を、私はただただ、すごいと思う。ひたすら尊敬する。
テキストは締切のギリギリ直前まで書き直すことができる(締切は守ろう)が、対戦中に逃したものとまったく同じチャンスはまず訪れない。

センス不足と前述したが、そもそも不足しているのはLoLに対する情熱なのかもしれない。自分のプレイについて考察し、初心者の頃に染みついてしまった手癖を正すには根気がいる。根気を支えるのは勝負への執着や、ゲームへの思い入れや、仲間に対する負けん気だったりするだろう。そういった機関車を前進させる燃料のような想いが、いま少し、自分には足りないのではないか。形而上の存在について過不足を議論するのは不毛にも感じるが、スポーツ、音楽、ゲーム、勉強その他、なんにつけても伸びるひとというのはおしなべて情熱的だ。

私の周りでもランク戦に参戦しているようなひとたちは驚くほど熱烈にゲームをプレイし、そのつど心の底から喜んだり悔しがったりしている。それはそれは楽しそうに。
私はやっぱり羨ましいのだ。勝負の趨勢が、わずかな要素が複雑に絡み合ったほんの少しの差の上に現れるような高度で精緻な試合が。それを可能にしているキータッチやマウス運びの精妙さが。今日明日すぐにそうはなれなくとも、それらに憧れる自分であり続けたいと思う

少なくとも、私はプロの試合を観て、その技巧に驚いたり感動したりするだけの前進はできたらしい。その先がどうなっているのかは分からないが、できることをひとつずつ増やしていきたいと思う。

この記事がアップされる頃にはRound 4も結果が出て、さらにRound 5のプレビューなども出ているだろう。この先どんなことが起きるのか、とても楽しみだ。


3 years ago


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