/dev:10バン

Dragglesによる

通常のプレイでバンの数を増やすにあたり、私たちは様々な難しい問題に直面しました――「バン数はいくつあれば足りるのか?」、「全員がプロ方式のドラフトを使うとどうなるのか?」、「手間を省くために最初からヤスオとカミールを削除しておくべきか?」など。

まもなく登場するシステムでは誰もがバンできるようになり、10人のプレイヤーが同時にバンを行います。バンフェーズが終わると各チームのバンが相手チームに表示され、その後はピックフェーズが通常どおりに続きます。したがって、チーム間でバンが重複する可能性があります。


あいつはバン、こいつもバン

同時10バンの究極の狙いは、チャンピオン選択を誰にとっても公平なものにすることと、誰もがバンフェーズで影響力を行使できるようにすること、そして願わくば、試合開始までにかかる時間を短縮することです。プロの試合で使われるスプリットドラフト方式は採用しませんでしたが(6バン、6ピック、その後4バン、4ピック)、その理由はチャンピオン選択で個々のプレイヤーが持つ影響力を平均化したかったからです。

現在プロシーンで使われているシステムのメリットに注目してみれば(特にプレイヤーが味方チームの戦術と相手チームのプレイスタイルを把握している点を考慮すれば)、スプリットドラフトを通常のプレイにそのまま持ってきてもうまくいかないことは明らかです。詳細については10バン発表時の投稿をご覧いただくか、以下をお読みください。

レーンでブリッツの相手をしたくない?だったら彼を機能停止させましょう。トップでトリンダメアを使いたい?だったらティーモをバンしましょう。それに、チャンピオン選択の順番が何番目であっても関係ありません――誰もが均等な確率で自分が相手にしたくないチャンピオンをバンできます。チームメイトと同じチャンピオンはバンできませんが、両チームが同じチャンピオンをバンする可能性はあります。

バンされるチャンピオンの数が10以下になる可能性もありますが(重複した場合)、これで一部のチャンピオンがずっとバンされ続けることがなくなるのではないかと考えています――誰のことかは言うまでもないでしょう。以前よりもバンの合計数が減る(両チームでの合計バン数が5になる)ことはめったにないと思いますが、それが“レアケース”とは呼べない頻度で発生するようになった場合は、注意深く観察していきます。


その他の10バン方式

同時バン方式を採用する前に私たちが考慮してみた他の方式と、それぞれの長所と短所をご紹介します。通常のプレイにふさわしい方式を判断するために、私たちは以下の点に注目しました。

  • 各プレイヤーが持つ影響力をできる限り均等にする
  • ランダムに決定されたチャンピオンピック順をバンに関しては利用しない
  • 可能な限り、試合開始までにかかる時間を短縮する

以下は少し技術的な話になりますのが、よければお付き合いください。


eSportsドラフト(スプリットドラフト)
eSportsの試合でおなじみの方式

✔ 長所

全員がバンを選択できる
チーム組織向けのハイレベルな戦略性

誰もがバンできますし(…理論的には。詳しくは以下をご覧ください)、スプリットドラフトなら通常の試合とプロの試合の間である程度の一貫性を保てます。この方式は非常に戦術的で、組織された5人チーム同士の対戦にうってつけです――さらに相手チームの事前情報があれば、弱いレーン(または強いレーン)に対して戦略的にバンを集中させることが可能です。

この方式はチーム戦ではとても意義があると思いますので、私たちはeSportsドラフトを他のチーム同士の競技的試合にも導入したいと考えています――ですが、実現するとしてもそれはまだ少し先の話です。パッチ7.11で使用可能になるカスタムゲームのトーナメントドラフトで試せるようになりますが、今後数パッチの間は見た目がゴチャゴチャとしているかもしれませんので、ご了承ください。


✘ 短所

バン/ピックの第2フェーズの影響力が大きく減少する
チャンピオン選択の順番でバンの影響力が変わる
バンフェーズにかかる時間が長くなる

eSportsドラフトはマッチメイキング型の試合では困った状況を生み出すことになります。両チームの4番目と5番目のプレイヤーは2回目のバンフェーズで酷いターゲットバンを受ける可能性があり、これらのプレイヤーは相当幅広くチャンピオンを使いこなせるようにならなくてはいけません。たとえば、両チームが複数のサポートをバンしながら、最初のピックフェーズでどちらもサポートをピックしなかった場合、2回目のバンフェーズでもバンがサポートに集中することになります。これでは選択可能なサポートの数が限られますし(特にすべてのサポートチャンピオンを所有していなかった場合)、何よりも、こういった判断に対しての当のプレイヤーの発言力は、ないに等しいといえます。

さらに、この方式では誰がどのバンを行うのかが非常にわかりにくくなります。対応するピック順にそれぞれのバンを与えた場合(1番目のプレイヤーは1番目のバン、4番目のプレイヤーは4番目のバン)、チャンピオン選択の順番ごとにプレイヤーが実際に望んだ通りの選択をする自由度に格差が生まれてしまいます。チーム組織同士による試合以外では、バンをスムーズに進行させるためだけに、大量の通知を表示させる必要もあります(「次はあなたのバンです!」、「今はあなたのバンです!」、「あなたはバンを完了しました!」、「今はみんながピックしています!」)。

さらに、これはもっとも複雑で時間のかかるドラフト方式であるために、意図しない(または故意の!)対戦回避を増加させる要因となります。

交互バンドラフト
6バン方式と同様、ただしピックフェーズの前に4つのバンを追加

✔ 長所

全員がバンを選択できる
チャンピオン選択の順番が現在のものと一貫性がある

これは現在のものと仕組みがほとんど同じで、同レベルの戦略性が維持されるので、使い勝手はほぼ変わらないはずです。チャンピオン選択の流れはそのままですし、新たなUIを追加する必要はないので、開発にも時間がかかりません。


✘ 短所

順番が後になるほど、メタチャンピオンをバンしなければいけないプレッシャーを感じる
一部のチャンピオンが常にバンされてしまう可能性がある
チャンピオン選択にかかる時間が長くなる

この方式では、チャンピオン選択の順番が後になるほど、相手チームに対応したバンをしなければいけないプレッシャーを感じることになり、選択の自由度やバンの影響力が失われます。それに加えて、とある長髪の剣客がずっとバンされ続けるリスクが過去最高に高くなります。さらにさらに、ただでさえ時間のかかるチャンピオン選択が最長で2分間も延長されることになり、対戦回避が発生した時の苦痛が増すことになります。この埋め合わせとしてバンの制限時間を短縮してテストを行ってみたところ、焦ってバンすることが増え、10人のプレイヤー全員が画面から目を離せなくなってしまいました。

スネークドラフト
通常のスネークドラフト、またはバンフェーズを逆にして、レッドサイドから開始

✔ 長所

全員がバンを選択できる
チャンピオン選択にかかる時間を短縮できる可能性がある

誰もがバンを選択できて、相手のバンに対応することも可能です。交互バンドラフトとほぼ同じですが、こちらの方が時間が短くなる可能性があります。


✘ 短所

順番が後になるほど、メタチャンピオンをバンしなければいけないプレッシャーを感じる
一部のチャンピオンが常にバンされてしまう可能性がある
基本的にeSports向けドラフトシステムの劣化版でしかない

仮にスネーク方式を導入するとして、あえてeSportsのスプリットドラフトを使わずに、わざわざピック前にすべてのバンを決めてしまうことのメリットは多くありません。スプリットドラフトに必要な時間はスネークドラフトとほぼ同じですし、そちらのほうが深い戦略性や試合前の駆け引きの面白さを生み出せます。

キャプテンドラフト
一人のプレイヤーがチームの5つのバンをすべて選択する

✔ 長所

試合開始までにかかる時間が短縮される

キャプテンドラフトなら10バンフェーズに必要な時間をもっとも短縮できる可能性があり(ロビー内のほとんどのプレイヤーが注目しておく必要がないので)、素晴らしいシステムのようにも思えます……選ばれた2名にとっては。


✘ 短所

一人のプレイヤーがすべてのバンを決定することになる
プレイヤーは5試合中4試合でバンの影響力を行使できなくなる
悪用される可能性が非常に高い

この方式ではほぼ全員が影響力を行使できなくなり、キャプテンが自分のレーンに対して正しい選択をしてくれるよう祈ることしかできなくなります。不満を感じて対戦を回避するプレイヤーが増えるのは簡単に想像できますし、次の試合ならキャプテンになれるかもしれないと考えて、ロビーで対戦を回避するプレイヤーも出てくるでしょう。#こんなソロキューは嫌だ

さらに興味深い問題点として、平均すると全試合の内の20%でしかキャプテンになれないので、キャプテンが何をすべきかを明確に伝えることが(初めてキャプテンを経験するプレイヤーに何が起こっているのかを十分に理解してもらうことが)、ユーザーエクスペリエンスの観点から見て非常に難しい挑戦となります。導入されてから数週間は混乱が続くでしょう。

ブラインド同時ドラフト
これが今回実際に採用される方式です

✔ 長所

全員がバンを選択できる
誰もが均等なバンの影響力を行使できる
チャンピオン選択にかかる時間が大幅に短縮される
常にバンされているチャンピオンが生まれる可能性がもっとも低い

全プレイヤーに平等にバンの機会が与えられ、誰もが自分が相手にしたくないチャンピオンを1体だけ排除できます。さらにバンが同時に行われるということは、バンの順番がなくなり、“メタチャンピオンをバンしろ”というプレッシャーを感じることが少なくなるということでもあり、全体的にバンフェーズにかかる時間が短縮されることにも繋がります。


✘ 短所

バンが重複したときに無駄に感じられてしまう
戦略性が低い
プロシーンとの一貫性がない

ごくわずかではあるものの、チャンピオンが5体しかバンされない可能性があり、究極的には現在のバンとは戦略性が異なってきます。相手の選択が見えないことで戦略的な対応はできなくなりますが、その代わり、特定のチャンピオンが複数のパッチに渡ってバンされ続ける可能性は低くなるはずです。もし、全員がバンを確定する前に敵チームのバンが見えるなら、バンフェーズが終了するギリギリまで待って相手のバンを誘ってから自分のバンを変更するのがもっとも有効な戦術になります。これでは試合を楽しく始めることはできないでしょう。

プロのプレイと通常のプレイに根本的な差を作り出したのはこれが初めてであり、私たちにとっても簡単な決断ではありませんでした(実際、私たちは両者において同一のゲームプレイを維持したいと考えています)。それでも、私たちはこのシステムのメリットがデメリットを上回ると考えています。この投稿を読んで、今回の決定に至るまでの私たちの考えを理解してもらえたなら幸いです。

しばらく触れていませんでしたが、近い将来にマッチメイキングとどこでもオプションの舞台裏に関する記事を投稿します。まもなく増加するバンを、皆さんが楽しんでもらえるように願っています。フィードバックをお待ちしています!


3 months ago

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