Dev
Ask Riot:開発から得た教訓

エイトロックスVGUの振り返り、スキンがテーマ単位で制作される理由、VGU投票の続報について。

Dev作者Reav3, Riot Eggo McLego
  • クリップボードにコピーされました

Ask Riotへようこそ!

しばらくお休みしていたAsk Riotが戻ってきました。というわけで…さっそく今年初の質問に答えていきたいと思います。今回のトピックはチャンピオン、VGU(ビジュアル・ゲームプレイ・アップデート)、そしてスキンのテーマについてです。

また 質問はいつでもこちらで受け付けています。皆さんの意見を聞くことはチームの幸福度アップにもなりますので、気になることがあればぜひお送りください。

スキンがチャンピオンごとではなく、テーマ(バトルクイーンなど)単位で制作されるようになった理由は?

ひとつのテーマで複数スキンをリリースするようになった理由は多数ありますが、そのひとつはテーマの世界設定やビジュアルをこれまで以上にしっかりと構築していくと決断したためです。「精霊の花祭り」はその好例で、テーマを長期間にわたり開発しています。開発時にはクリエイティブの土台を固めるためにじっくりと労力を割き、単に新スキンをいくつか作るだけにとどまらないよう、じっくりと模索を続けてテーマを深く掘り下げました。また各テーマでリリースするスキンを増やす手法には、プレイ率の低いチャンピオンと人気/新テーマを組み合わせることで彼らにスポットライトを当てるチャンスを生み出す効果もあります。この例で言えば、精霊の花祭りキンドレッドがそれに当たるでしょう。

もちろんだからといって、今後は単発のスキンを作らないというわけではありません。開発しているスキンシリーズのテーマとまったく合致しないチャンピオンが出てくることもあるでしょうから、プレイヤーの皆さんが惚れ込んでくれそうな単発スキンを作るチャンスを逃さないよう今後も注視していきます。

Riot Eggo McLego スキン&パーソナライゼーションコンテンツ プロダクトリード

ドクター・ムンドの後にリリース予定と発表していたVGUプロジェクトはどうなったんですか?

2020年9月のチャンピオンロードマップで発表したVGUプロジェクトですが、こちらは想定外の遅延が発生したため実質的に未着手の状態です。そのため、それ以前にお約束していたプレイヤーの皆さんによる投票でVGU対象チャンピオンを決定する取り組みを優先することとしました。

こちらの投票結果は近日中に確定予定で、チーム一同発表を楽しみにしています。果たしてドクター・ムンドの次にVGU対象となるのは誰になるのでしょう(来週登場予定!)。なお、テーマ投票の結果も同じく近日公開予定です。

Reav3 チャンピオンチーム リードプロデューサー

チャンピオンの制作/リワークを進める中で「すべてのチャンピオンの開発方針」を最も大きく一変させた経験は何でしたか?

特定のチャンピオンが「すべてのチャンピオンの開発方針」を一変させた事例はちょっと浮かびませんが、VGUに関してなら心当たりがあります。エイトロックスです。

エイトロックスのVGUが終了するまで、新チャンピオンとVGUの第一目標はどちらも「より多くのプレイヤーの心を掴むこと」でした。当時はVGUも新チャンピオンもより多くのプレイヤーにプレイしてもらうことを念頭にして開発しており、自身で使うにせよ敵として戦うにせよ、LoLに新鮮なゲームプレイ要素を導入することを目的としていたのです。もちろん全員を大人気チャンピオンにしようとしていたわけではありません。時にはニッチなチャンピオンになることを理解した上で新チャンピオンを開発することもありますし、そういった場合は一部のプレイヤー層が熱心にプレイしてくれることを期待して開発していました。

一方、第二目標は新チャンピオンとVGUとで大きく異なりました。新チャンピオンの開発における第二目標はLoLというIPを押し拡げることでした(これは現在も同じです)。一方でVGUの第二目標は開発チームに対する信頼を積み上げつつ、LoLの印象を現代的な水準で維持することだったのです。

しかしVGUの第一目標を「そのチャンピオンをもっとプレイしてもらうこと」に設定していたために、時に私たちは既存のプレイパターンやスタイルを大幅に変えてでも幅広いプレイヤー層が遊びたくなる/ワクワクするゲームデザインを選択することがありました。今振り返ってみればこの方針が間違っている理由は明白ですが、当時はその目標が合理的だと考えており、エイトロックスのVGUでも同様の方針を取ったのです。

こうして私たちは、熱心なプレイヤー層に支えられていたチャンピオンを幅広いプレイヤー層に向けたチャンピオンへとアップデートしました。第一目標だけを見ればエイトロックスのVGUは成功だったと言えるしょう。しかし幅広い層に受け入れられた代償として、エイトロックスはかつての熱心なプレイヤー達を失ってしまいました。そして、同時に多くのプレイヤーに「次は自分のメインチャンピオンがVGUされるのではないか、自分が愛したチャンピオンが今とはかけ離れた姿にされてしまうのではないか」という恐れを抱かせてしまったのです。

私たちはこれを教訓として重く受け止め、その後のVGUでは第一目標と第二目標を入れ替えてプレイヤーから信頼を得ることを第一目標としています(それは今後も同様です)。たとえその結果、幅広いプレイヤー層にとって遊びたくなる/ワクワクする要素が減少するとしても、です。

既存のチャンピオンをアップデートするという行為は、ある意味で「すでに私たちの手を離れた存在をアップデートする」ことです。VGU対象としたキャラクターが世界中で数百万人単位の人に愛されるようになっているのならば、私たちはそのキャラクターを愛する人たちを最優先に考えて全力を尽くしたいと考えています。

VGU投票を開始したのもこの件が理由のひとつです。VGUプロジェクトの進捗を何度も開発ブログで公開して早い段階から開発方針に対するフィードバックを可能な限り多く集め、それに応じて調整を実施するようにしたのもまた同様。チームでは、最近のVGUからこの新方針を感じ取ってもらえていることを願いつつ、今後も皆さんとチャンピオンチームの間で信頼を築き上げ続けていければと考えています。

Reav3 チャンピオンチーム リードプロデューサー

質問をお持ちの方は、こちらのページからお送りください。

タグ:



  • クリップボードにコピーされました

関連記事
関連記事